北海道公立高校入試の出願受付を受けて、2023年1月25日、北海道教育委員会は当初の出願状況を発表しました。今年は推薦入試が自己推薦となり例年と比べて大きな変化があります。この記事では出願状況を元に石狩の推薦入試の倍率を見てみます。

2023出願状況

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2023年1月25日発表、札幌・石狩の当初倍率についての記事です。

全道の当初倍率の高倍率校と推薦の倍率の記事です。(石狩を除く)

出願状況の発表

当初の出願状況では、それぞれの高校の出願者数と倍率も発表されますが、この倍率とは

出願者数合計÷募集人員

で計算される倍率、つまり推薦と一般を合わせた全体の倍率です。ちなみに計算した数字は、小数第2位を四捨五入して小数第1位までになっています。

札幌・石狩の当初倍率はこちらをご覧ください。

推薦入試の倍率は

自治体によっては推薦と一般入試の倍率は別に発表されることが多いのですが、北海道は推薦入試だけの倍率は出しません。

そこでシンプルに推薦の標準枠(推薦の募集人員の上限のようなもの)と推薦出願者数の数字を使って、1倍以上となる学校の推薦のみの倍率を出してみました。計算式は次の通りです。

推薦出願者数÷推薦の標準枠(小数第三位を四捨五入)

また、一般入試とは違って推薦入学において出願変更は認められていませんので、推薦入試日までこの数字が変更になることはないでしょう。

ただし、実際にこの倍率通りになるかどうかはわかりません。というのも、その年、また高校によっては、推薦の標準枠より若干名多く内定を出す場合があるからです。反対に1.0倍以内の推薦出願者数であっても、油断は禁物です。標準枠を満たしていない場合でも、推薦出願者が基準を満たしていない場合、落ちることもあります。

参考までに、昨年(2022年)どこが多く内定を出したか、どこが標準枠より少なくても落としたか、詳しくはこちらの記事で確認してください。(但し、昨年までは自己推薦ではなく学校推薦です)

2022年北海道公立高校の推薦入試。合格内定者数が発表

札幌・石狩学区で推薦入試1倍以上の学校

全日制

札幌・石狩学区で推薦入試の倍率が1倍以上となった全日制の学校・学科は以下の23。昨年は5つのみでしたので、大幅に増加しています。

学校名 学科名 推薦標準枠 推薦出願者数 倍率
札幌啓成 普通 28 55 1.96
理数 12 17 1.42
札幌北陵 普通 64 68 1.06
札幌手稲 普通 64 76 1.19
札幌白石 普通 56 79 1.41
札幌国際情報 普通 24 86 3.58
国際文化 40 100 2.50
理数工学 20 20 1.00
グローバルビジネス 60 129 2.15
千歳 普通 40 58 1.45
国際流通 40 55 1.38
北広島 普通 56 124 2.21
恵庭南 体育 40 46 1.15
札幌東商業 流通経済 40 47 1.18
国際経済 40 46 1.15
会計ビジネス 40 40 1.00
市立札幌旭丘 普通 48 141 2.94
数理データサイエンス 24 32 1.33
市立札幌藻岩 普通 72 92 1.28
市立札幌平岸 普通 28 58 2.07
デザインアート 20 50 2.50
市立札幌清田 普通 40 79 1.98
市立札幌新川 普通 64 131 2.05

札幌国際情報の普通が3.58倍、国際文化が2.50倍
市立札幌旭丘が2.94倍となっています。

推薦入試の自己推薦化を受けて、昨年までの推薦倍率とは全く違った状況になっています。北海道の公立推薦入試には出願変更はないので、倍率はこのまま。

推薦枠の人数を大きく超える内定が出ることもないので、高倍率校ではまとまった人数の推薦不合格者が出ることになるでしょう。

その場合は当初出願した高校に限らず、再出願が可能です。

再出願の期間は
2023年2月20日〜2月22日(9:00~16:30 22日は12:00まで)
となっており、中学を経由して手続きする必要があります。非常に短い期間設定となっているので、再出願をする場合はどうするか、その時になって慌てないよう予め家庭で意思を統一しておくと良いと思います。

再出願後の出願状況の発表は2023年2月28日。

推薦実施校は特に当初の倍率からの変化があると思いますので注目です。

但しこの時期にできる最善は試験に集中することですので、受検生は倍率にかかわらず力を出し切れるよう、ラストスパートに専心してください。

定時制

定時制で推薦標準枠のある市立札幌大通は、普通科の中に、午前・午後・夜間のコースがありますが、日中に通える午前と午後が高倍率となりました。また2022年から自己推薦入試を導入しています。

学校名 学科名 推薦標準枠 推薦出願者数 倍率
市立札幌大通 普通(午前) 30 127 4.23
普通(午後) 30 95 3.17

なお、市立札幌大通の普通(夜間)は、推薦標準枠50に対して推薦出願者数は45人となっており若干余裕があるので、スライド合格も考えられます。

夜間は一般と推薦を合わせた倍率も0.8倍で定員割れしているので、「昼間に通える定時制」のニーズが高まっていると言えそうです。

有朋高校(単位制)

有朋高校(単位制)の普通の推薦の出願状況が以下のようになっています。

学校名 学科名 推薦標準枠 推薦出願者数 倍率
有朋 普通 24 47 1.96

昨年から約0.5ポイント増加。
事務情報は、0.6倍と余裕があります。

推薦の選抜方法は

北海道の公立推薦入試の方法は個人調査書などの書類以外では面接が一般的です。推薦を実施する高校の中には、面接の他にも独自の選抜方法で内定者を選んでいる高校もあります。

札幌国際情報(国際文化)・千歳(国際教養)・札幌啓成(普通・理数)は英語による問答。
市立札幌旭丘は普通科、数理データサイエンス科共に英語の聞き取りテストと適性検査。
市立札幌清田は普通で英語の聞き取りテスト、グローバルでは英語の聞き取りテストと英語による問答。
市立札幌平岸(普通)と市立札幌藻岩(普通)では作文を採用。

また、市立札幌平岸(デザインアート)と恵庭南(体育)は、それぞれ実技試験があります。

恵庭南の体育科に関しては、推薦の選抜において運動能力・技能テストがあり、このテストで基準に達する必要があるようです。

定時制の市立札幌大通は、作文があります。

札幌市立高校は積極的に独自の推薦選抜を採用している印象が強いです。

北海道公立高校推薦入試の日程

推薦入学面接日は、2023年2月10日(金)

出願変更後の出願状況がわかるのは、2023年2月13日(月)。北海道教育委員会のサイト、各高校掲示で発表されます。
出願変更後の出願状況はこちら

推薦入試の合格内定者数の発表は2月17日(金)。そして推薦に合格できなかった人のために2023年2月20日(月)~2月22日(水)の日程で、一般入試への再出願期間が設けられています。

その結果を受けて最終的な再出願後の出願状況がわかるのは2028年2月28日(火)です。道教委のサイトや新聞で、貴重な現在の出願状況の情報が期間限定で掲載されていきますので、参考までにチェックするといいと思います。

しかし数字にとらわれて一喜一憂せず、あくまでも受検に向けて自分の状態を整えてけるといいですね。先行き不透明な部分が多く、受検生と保護者の皆さんは気を揉んでいると思います。どうか皆さんが健康にラストスパートを乗り切れますように!

参照:
北海道教育委員会 高校入試
 令和5年度(2023年度)公立高等学校入学者選抜出願の状況

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