北海道の公立高校の倍率はいつわかるのでしょうか。北海道教育委員会は、出願が完了後道内の出願者数を集計し、それぞれの高校ごとの出願者数や倍率をまとめたデータを複数回発表します。この記事ではなぜ何度も発表があるのか、複数回発表される意味とそれぞれのデータの読み方、そして発表の時期をまとめました。
北海道公立高校入試日程
2024年の北海道公立高校入試の日程は以下のようになっています。
●出願の受付期間:2024年1月19日〜1月24日
中学校が取りまとめて願書を提出する期間です。受検生は、これ以前の中学の決めた締め切りを守る必要があります。この受付期間は、推薦も一般も同じです。
●出願変更の受付期間:2024年1月29日〜2月2日
●推薦入学面接日:2024年(令和6年)2月13日
●推薦合格内定者の通知:2月20日まで
●推薦後、再出願の受付期間:2024年2月21日~2月26日
●学力検査日:令和6年(2024年)3月5日
学校によっては面接等あり。その場合例年翌日ですが、学力検査の当日、終了後に行う場合もあり。
●追検査:令和6年(2024年)3月13日
●合格発表日:令和6年(2024年)3月18日 10:00
2022年度の北海道高校入試は新学習指導要領の元で行われ、裁量問題が廃止された年でした。2023年度の北海道高校入試も推薦が中学校の校長推薦から「自己推薦」に変わるという大きな変更があり、今年度はその流れを引き継ぐ年とな …
出願状況などデータの発表日程
上記の流れと出願状況などデータの発表時期の記載を重ねます。青が受験生の出願期間、赤が出願者数など倍率発表の日です。
●出願の受付期間:2024年1月19日〜1月24日
●①当初の出願状況の発表:2024年1月26日 10:00
●一般入試の出願変更の受付期間:2024年1月29日〜2月2日
●②出願変更の状況の発表・中間発表:2024年1月31日
●推薦入学面接日:2024年(令和6年)2月13日
●③出願変更の状況の発表・最終発表:2024年2月14日 10:00
●推薦合格内定者の通知:2月20日まで
●推薦合格内定者数の発表:2月20日 10:00
●推薦後、再出願の受付期間:2024年2月21日~2月26日 9:00~16:30(26日は16:00までとする)
●④再出願後の出願変更の状況の発表:2024年3月1日 11:00
●学力検査日:令和6年(2024年)3月5日
●追検査:令和6年(2024年)3月13日
●合格発表日:令和6年(2024年)3月18日 10:00
青の出願受付期間に対応して、赤の倍率発表が一般入試日までに4回行われるのが分かります。発表は道教委サイトや各高等学校の掲示で行われます。②の中間発表は、高等学校の掲示のみです。新聞によっては、抜粋された状況が載ることもあります。
データが複数回発表されるのには、理由があります。それぞれのデータの時期と意味について考えます。
①出願状況の発表
最初に発表される出願状況は、出願受付期間(2024年1月19日〜1月24日)が終了してすぐに集計され、次の日程で発表されます。
当初の出願状況の発表:2024年1月26日 10:00
この発表は道教委Webサイトで行われます。
募集人員と推薦標準枠、一般出願者数、推薦出願者数、出願者数合計そして
出願者数合計÷募集人員
で計算される倍率等が分かるようになっており、この倍率は、「当初の倍率」と呼ばれます。例年、小数第2位を四捨五入して小数第1位までにした数字が発表されています。
当初の倍率は受検生の志望がダイレクトに反映される、その年の人気校がはっきりと見えるデータだと言えるでしょう。
2024年北海道公立高校の出願状況・当初の倍率が発表!石狩・札幌の状況は
自治体によっては推薦と一般入試の倍率は別に発表されることが多いのですが、北海道は推薦入試の倍率は出しません。この時に発表される倍率は、出願者数合計を募集人員で割った数字、つまり推薦と一般を合わせた全体の倍率です。
ですから推薦と一般それぞれの倍率が知りたい場合は、自分で計算する必要があります。
当初のデータで推薦と一般の倍率を想定するには
●推薦入試
推薦の標準枠(推薦の募集人員の上限のようなもの)と推薦出願者数の数字を比べて倍率を見ます。
推薦出願者数÷推薦の標準枠
でシンプルな推薦入試の倍率は出るでしょう。
ただ、上記の単純な推薦の倍率が当てはまらない場合もあります。少ないですが場合によっては1.0倍以下でも落ちる場合もありますし、推薦標準枠を若干超えて内定者を出すこともあります。
●一般入試
一般入試の倍率を出すには、募集人員を定員と考えてはいけません。募集人員から推薦内定者数を引いた人数が一般入試の実際の定員数と考えて計算します。ただしこの時点で推薦内定者数は分かりませんので、仮の計算を考えてみます。
推薦出願者数が標準枠を超えている学校は標準枠を、枠を満たしていない学校は推薦出願者数を募集人員から引いてください。それを一般入試の仮の定員数とします。
そして推薦出願者数が標準枠を超えている学校は、推薦出願者数から標準枠を引いた数を一般出願者数に足します。これは、推薦で不合格となった人が一般入試で同じ高校に再出願すると仮定したものです。これを一般入試の仮の出願数とします。そして
一般入試の仮の出願数÷一般入試の仮の定員数
の式で倍率を出します。
実際は推薦不合格者が皆同じ高校に再チャレンジするとは限りませんし、あくまで仮の数字しか出ませんが、この時点で一般入試の倍率を推定したい場合はこのような計算になるのではないでしょうか。
ただし実際の倍率は出願変更や推薦発表後の再出願という制度があるため、変化していきます。
一般入試の出願変更
当初の倍率は受検生の志望校がダイレクトに反映されるため、その年の人気により倍率の偏りが見られることもあります。個人的には、よく考えて決めた志望校だと思いますので、倍率に関わらず本人の希望を優先して欲しいと思います。
しかし倍率が想定以上に高すぎる時、志望校を当初の出願先から変えたいという場合もあるかもしれません。北海道の公立一般入試では、そういう場合一度だけ出願先を変更することができます。それが出願変更という制度です。
2024年の出願変更の期間は、当初の出願状況が発表されてからすぐの次の時期です。
一般入試の出願変更の受付期間:2024年1月29日〜2月2日
期間は短く、この間に判断して手続きを済ませなくてはなりません。
またどこにでも変えられるわけではありません。普通科から普通科・外国語系・理数などへの変更はできますが、専門学科では分かりにくい独自のルールがあるので、変更を考えた時は在籍中学校に相談しましょう。なお普通科と総合学科の行き来はできます。(いずれも全日制の場合)
②出願変更の状況の発表・中間発表
出願変更期間の途中の時点での受検生の変更の動きが分かるように、中間発表があります。
出願変更の状況の発表・中間発表:2024年1月31日
2024年北海道公立高出願変更の中間状況は?出願変更は2/2まで
この時に発表される倍率も、推薦と一般を合わせた全体の倍率です。
この出願変更制度は、当初の倍率の凹凸の調整の役割も期待されているのだと思います。ですから途中の動きや倍率を発表することで、倍率の高過ぎるところから低いところへの適切な受験生の移動を促しているのでしょう。
③出願変更の状況の発表
出願変更期間が終了後、その状況の最終発表は次の日程で行われます。
出願変更の状況の発表・最終発表:2024年2月14日 10:00
2024年北海道公立高校の出願変更後の倍率の変化は?石狩の状況をチェック
この発表は道教委のWebサイトで行われます。新聞に抜粋された状況が掲載されることもあります。この時に発表される倍率も、推薦と一般を合わせた全体の倍率です。
ちなみに北海道公立高校のの推薦面接日は、2024年(令和6年)2月13日なので、その後の発表となります。この時期に発表されるデータは、推薦が不合格だった場合の一般入試の再出願の重要な目安となります。
北海道公立高校には、推薦入試と一般入試の2つの受検方法があります。この記事では、2023年以降自己推薦に変わった北海道公立高校入試の推薦制度について徹底解説しました。
推薦合格内定者数発表と再出願の受付
推薦入試の合格内定者の通知は中学を通じて行われ、各高等学校の合格内定者数の発表は次の日程で行われます。
推薦合格内定者数の発表:2024年2月20日 10:00
推薦で合格内定とならなかった人は、一般入試に再出願することができます。推薦で出願したということは、その学校へ行きたいという気持ちが大きいと思いますので、もう一度同じ学校に一般で再出願する人も多いでしょう。
しかし再出願先は、当初出願した学科と関わりなく選べます。推薦で受検したのと同じ高校でも、違う高校でも構いません。ただし、面接を欠席した人、合格内定後に入学確約書を提出しなかった人は再出願できません。
再出願の受付期間は次の通りです。
再出願の受付期間:2024年2月21日~2月26日 9:00~16:30(26日は16:00までとする)
④再出願後の出願変更の状況の発表
上記の再出願の状況を受けて、一般入試前では最後の倍率の発表が行われます。
④再出願後の出願変更の状況の発表:2024年3月1日 11:00
北海道公立高・最終の一般入試の倍率は【2024】再出願後の出願状況
この発表は道教委のWebサイトと、各高校の掲示で行われます。新聞に抜粋された状況が掲載されることもあります。
この時に発表される倍率は、今までのものと計算方法が違います。前回までは推薦と一般を合わせた全体の倍率でしたが、この一般入試直前の「再出願後の出願状況の発表」では一般入試の倍率が発表されます。
倍率を求める式は、J/I
J=再出願後の出願者数(この時点では推薦は内定済みなので、出願者数は一般出願者のみ)
I=募集人員ー推薦入学確約書提出者数ー連携型入学確約書提出者数(募集人員から推薦等の内定者数が引かれ、一般入試の実際の定員数)
JをIで割った数を倍率として出しますので、このデータでは一般入試の実際の倍率が分かります。
このデータが発表されてまもなく一般入試、そして合格発表となります。
2022年(令和4年度)の北海道公立高校入試。一時期よりは落ち着いたものの、感染症対策などに不安を感じながらの受検となり、受検生や保護者のみなさんにとっては大変な状況が続いています。一般入試の前日まで、そして当日にできる …
●学力検査日:令和6年(2024年)3月5日
【学校によっては面接等あり。その場合当日、もしくは翌日が面接日】
●追検査:令和6年(2024年)3月13日
●合格発表日:令和6年(2024年)3月18日 10:00
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まとめ
以上のように、北海道公立高校の出願状況(倍率など)の発表は、出願受付直後に1回、出願変更の間に1回、終了後に1回、推薦入試不合格者の再出願の受付終了後に1回、計4回行われます。
そしてはじめの3回は推薦と一般を合わせた全体の倍率、最後の「再出願後の出願変更の状況」では一般入試のみの倍率が発表されます。
推薦入試の倍率は発表されないので、推薦入試の受検生は必要な場合、推薦出願者数と推薦標準枠の数字を使って自分で計算しましょう。
確かに倍率は気になりますが、それよりも自分の希望を生かせる高校を選ぶことが大切だと思います。デリケートな時期の発表になりますので、倍率に左右されず自分の最初の志望決定を貫いて、受検勉強のラストスパートにのみ目を向けることも素晴らしい選択なのではないでしょうか。
悔いのない選択をして、皆さんが雪解けとともに希望に満ちた新しい生活を迎えられることをお祈りいたします。
参照:北海道教育委員会