受験生の皆さんへ「これからの大学の選び方」
進路を模索中の高校生とその保護者の皆さんは、大学を選ぶのに何を重要視していますか?偏差値?それとも就職実績でしょうか。
うちには大学生と高校生の子がいるのですが、2020年以降の大学の様子を目の当たりにして、これからの進路選びにはその大学等の運営に対する”考え方”や、学生にどの程度”寄り添えているか”といった、その大学の「体質」というようなものを見極めることが不可欠だという結論に達しました。
ただ今の本当の大学の姿を知りたいなら、大学に聞いてもダメです。
なぜなら受験生へ向ける顔と大学生に向ける顔が全然違うから。
一番いいのは実際に通っている大学生に話を聞くことです。もし可能なら志望校に在籍する大学1・2年生に現状を聞いてみてください。
思いがけない話が聞けるかもしれませんよ!
どんなに偏差値が高く就職実績が素晴らしくても、在籍中に心身を健康に保つことができなければ何の意味もありません。学生が笑って過ごせる、そんな当たり前のことを今の大学が提供できているとは言い難く…。
しかし、新しい環境に向かう新入生には、そういう当たり前な日常や周囲との結びつきが一番大切なのではないかと感じています。
「大学の実際の姿が知りたい」そう思いつつ、進路を模索中の下の高校生と大学などの資料を見ている日々なのですが、受験生向けの資料から今の大学の実像を探ることはとても困難だということを実感しています。
大学のサイトやパンフレット、オンラインオープンキャンパスでは、大学の発信したいことしか分かりません。そして大学というところは、都合の悪い情報を隠すことに長けています。
2019年以前に撮ったと簡単に推測される画像を載せている大学さえあり、対面授業の割合が実際はどのくらいかということさえ、はっきりとは分かりません。
高校生はいろんな意味で素直なので、パンフレットなどのキラキラした大学の発信を鵜呑みにしがちです。
そこで私は慌てて在籍生向けのページを開いて、
「見て!パンフではサークル紹介普通にしてるけど、もう随分前から対面のサークル活動禁止になってるよ!」
とか
「この画像よく見たら、小さく2019年のものですって、書いてあるよ!」
とか
「ここは対面のバイト禁止だって!」
とか
「感染対策のレベルが緩和されたって書いてあるけど、そもそもシラバスの段階での対面率が半分位だから…」
などなど、少しでも今の現状を分かってほしいと、会話に嫌な合いの手を入れる訳です。
多分「うっせーわ!」と思われてますけど、上の子のように「嬉しかったのは合格した一瞬だけだった」なんて状態を絶対に繰り返して欲しくないので、こっちも必死なんです。(許してね…)
本当の大学の状況を聞くには、オープンキャンパスなどで実際に在籍している大学1・2年生から話を聞くしかないのだと思うのですが、この夏子どもが予約したオープンキャンパスは、ことごとく中止やオンラインに変更になる始末。
直接在籍生に話を聞けるチャンスはこの夏ほとんどなく、大学選びの指標となる情報を集めるのがこんなにも難しいかと思い知らされました。
大学側からの一方的な発信や、大学受験にネガティブになられては都合の悪い教育系のメディアの記事は、申し訳ないのですがもう信じられません。
この記事では徹底して大学生と高校生の親の目線で、入学してから後悔しないための大学の選び方、少ない情報の中でどうやって大学の”体質”を見極めるヒントの探し方を私なりに考えてみます。
大学の目線で発信するメディアや受験情報はたくさん溢れているので、あえて大学のアピールポイントや偏差値情報はスルーさせてください。
それでは、少しでもミスマッチを防ぐために、大学生の親目線で大学選びのポイントを挙げていきます。そして受験生に向けて発信することで、今の大学生の環境改善に少しでも繋がればと願います。
2021年10月、あなたの志望校の1・2年生はキャンパスに通えているか?
2021/11/19、見方によっては大学の”体質”を知るためのヒントになるのでは?と思う資料が、文部科学省から発表されました。「大学等における2021年度(令和3年度)後期の授業の実施方針等に関する調査および学生への支援状況・学生の修学状況等に関する調査結果について」
です。
これは令和3年10月7日の時点で、大学の後期授業実施方針などについての質問に対して、全国の大学がどう回答したかの結果をまとめたものです。この時期は全ての緊急事態宣言が解除され、大人たちはごく普通に生活し、幼稚園・保育園から小中高校までほぼ日常を取り戻していた時期。大学生も当然普通にキャンパスで学んでいると思いますよね。
ところが違うんです。全面対面に踏み切っていた大学はごくわずか。3割以下しか対面が行われていない大学、全面遠隔という大学もありました。この時期に。
しかも大学が答えたアンケートです。過去の経験から、大学が50%と答えていてもそこに在籍する大学1年生の実感としてはほぼ通えていないということが多発し、多くの大学生やその親は大学の回答は「鵜呑みにしてはいけない」と感じています。
ですからこの時期に対面率が3割以下と回答した大学には、ほぼ通えていない大学生がいるだろうと想像でき、また対面授業について積極的ではないというその大学の運営の「体質」を表しているのではないかと考えます。
それがいいと考える受験生もいるでしょう。でもそうでない場合は、入学してからのミスマッチに繋がる可能性があります。
あなたの志望校はこの中にあるでしょうか?探してみてください。
この時点でほとんど対面授業が行われていない大学がある一方、全面対面に踏み切っていた大学も存在します。このことも、この資料が大学の「体質」を知るヒントになるのではないかと考える理由になっています。考え方ひとつで、こうも対応が分かれるという証拠ですので。
全面対面と回答した大学はこちらです。
対面率が5割、7割、ほぼなどという回答もあったのですが、前述の通り学部や学年によってかなり体感が異なるようなので、スルーさせていただきました。
これからも少しずつ、大学の今を知るヒントを見つけてこの記事に追加していく予定です。今後ともよろしくお願いいたします。