北海道公立高校全日制でも1倍割れ


2020年度 北海道・札幌 高校入試の関連記事

道教委は、北海道公立高校の出願状況を2020年1月28日発表しました。北海道全体の2020年の出願状況はこのようになっています。

全日制と定時制を合わせた222校の募集人員3万4300人に対し、出願者数は3万2588人で、6年連続で出願者数が募集人員を下回った。平均倍率は前年度当初より0.02ポイント低い0.95倍で、過去最低となった。

全日制の募集人員は前年度当初より1480人少ない3万2210人。平均倍率は同0.02ポイント低い0.98倍で初めて1.0倍を下回った。

引用元:北海道新聞1/28

全日制で初めて1.0倍割れということですが、人気のある学校や学科には多くの受検生が出願していて、一概に全ての高校で受検が楽になったとは言えません。

道内の傾向をするために、この記事では石狩学区以外の北海道の出願状況を見ていきたいと思います。

石狩学区の状況はこちらの記事をご覧ください。
2020年北海道公立高校の出願状況・当初の倍率が発表!石狩・札幌の状況は

北海道の私立高校の志願状況の記事はこちら
2020北海道の私立高校の入試志願状況・倍率が発表されました

倍率が一定以上の高校をピックアップ

その年の人気や傾向を知るためには、普通科だけではなく専門学科を合わせて高倍率の人気校を探すと自ずと見えてくるものがあります。

推薦の人気校も知るために、推薦標準枠(推薦の定員)を超えた推薦倍率1.1倍以上の学校・学科もピックアップします。推薦の倍率は、推薦出願者数÷推薦の標準枠で計算して小数第2位を四捨五入しています。

それぞれの学区、上の表が全体の倍率、下の表が推薦の倍率です。また倍率は少数第二位を四捨五入しています。出願状況の倍率の計算方法などはこちらの記事をどうぞ。
北海道公立高校の倍率はなぜ何度も発表?理由と日程、データの読み方

空知

当初倍率1.4倍以上

学校名 学科名 募集人員 出願者合計 倍率
滝川 理数 40 54 1.4

推薦倍率1.1倍以上

学校名 学科名 推薦標準枠 推薦出願者数 倍率
岩見沢緑陵 普通 24 29 1.2
三笠 調理師 10 12 1.2
製菓 10 11 1.1

空知は滝川の理数の当初倍率が1.4倍となっています。
推薦では岩見沢緑陵の普通と、三笠の食物調理科の調理師・製菓コースが1.1倍を超えています。三笠の調理師コースは一般と合わせた当初倍率が1.2倍、製菓コースは0.8倍。

後志

当初倍率1.4倍以上

学校名 学科名 募集人員 出願者合計 倍率
小樽水産 水産食品 40 55 1.4

小樽水産の水産食品は、昨年の当初倍率より0.5ポイント増の1.4倍

胆振

当初倍率1.4倍以上

学校名 学科名 募集人員 出願者合計 倍率
苫小牧東 普通 240 327 1.4
室蘭栄 理数 80 112 1.4
苫小牧工業 情報技術 40 67 1.7

推薦倍率1.1倍以上

学校名 学科名 推薦標準枠 推薦出願者数 倍率
苫小牧工業 電気 20 21 1.1

胆振の当初倍率は苫小牧工業の情報技術が1.7倍と高くなりました。

渡島

当初倍率1.4倍以上

学校名 学科名 募集人員 出願者合計 倍率
市立函館 普通 240 327 1.4
函館工業 電子機械 40 69 1.7
電気情報工学 40 85 2.1
建築 40 78 2.0
環境土木 40 58 1.5
函館商業 流通ビジネス 40 54 1.4
情報処理 40 58 1.5
函館水産 品質管理流通 40 58 1.5

渡島学区では全日制職業科の人気が目立ち、特に函館工業で新設された電気情報工学が2.1倍の高倍率となっています。新設科がこれだけの高倍率というのは、この分野に対する人気を表しているのでしょう。なお函館工業は建築も2.0倍と大台に乗りました。電子機械は1.7倍です。

函館商業でも情報処理が1.5倍、流通ビジネスが1.4倍となっています。なお函館水産の品質管理流通は1.5倍という高倍率になりました。

渡島学区の普通科の最高倍率が市立函館の1.4倍ですので、職業学科の健闘が目立ちます。

上川

当初倍率1.4倍以上

学校名 学科名 募集人員 出願者合計 倍率
旭川東 普通 240 324 1.4
旭川西 普通 200 279 1.4
理数 40 64 1.6
旭川工業 情報技術 40 63 1.6
建築 40 67 1.7

推薦倍率1.1倍以上

学校名 学科名 推薦標準枠 推薦出願者数 倍率
旭川西 普通 40 88 2.2
理数 20 27 1.4
旭川北 普通 48 58 1.2
旭川永嶺 普通 48 77 1.6
おといねっぷ美術工芸 工芸 20 32 1.6
旭川農業 食品科学 40 51 1.3
旭川工業 情報技術 20 23 1.2
建築 20 33 1.7
土木 20 23 1.2
旭川商業 情報処理 40 42 1.1
旭川南 総合 120 160 1.3

上川の最高倍率は、旭川工業の建築で1.7倍。また理数や情報技術という理系の人気も目立ちます。また北海道の他の地区よりも推薦での出願者が多く、倍率も高い

オホーツク

当初倍率1.4倍以上

学校名 学科名 募集人員 出願者合計 倍率
北見商業 商業 40 59 1.5

オホーツクで当初倍率1.4倍を超えたのは1校で北見商業の1.5倍

十勝

当初倍率1.4倍以上

学校名 学科名 募集人員 出願者合計 倍率
帯広三条 普通 240 327 1.4
幕別清陵 普通 120 171 1.4

推薦倍率1.1倍以上

学校名 学科名 推薦標準枠 推薦出願者数 倍率
帯広三条 普通 48 82 1.7
帯広緑陽 普通 32 51 1.6
帯広農業 酪農科学 40 49 1.2
食品科学 40 50 1.3
帯広工業 電子機械 20 25 1.3
電気 20 23 1.2
環境土木 20 24 1.2

十勝の最高倍率は帯広三条と幕別清陵の1.4倍。幕別清陵は昨年度当初より0.4ポイント増。十勝も上川についで推薦の出願者が多め。

釧路

当初倍率1.4倍以上

学校名 学科名 募集人員 出願者合計 倍率
釧路湖陵 理数 40 56 1.4
釧路工業 電子機械 40 65 1.6
土木 40 80 2.0

推薦倍率1.1倍以上

学校名 学科名 推薦標準枠 推薦出願者数 倍率
釧路湖陵 普通 40 55 1.4
釧路江南 普通 40 45 1.1
釧路北陽 普通 40 67 1.7

釧路の当初の最高倍率は釧路工業の土木で2.0倍電子機械も1.6倍と高倍率。釧路湖陵の当初倍率は普通が0.9倍、理数が1.4倍。ただし普通の推薦は人気が高い。

2/20、推薦合格内定者数が発表になりました。こちらの記事もどうぞ。

2020年北海道公立高校の推薦入試。合格内定者数が発表

まとめ

北海道全体では初の全日制での1.0倍割れとなりましたが、人気の学校や学科は多くの受検生が志望しています。

全体の傾向としては、理数や情報系・工業系の人気が目立つようですね。石狩では推薦は1.0倍を切るところが多いのですが、上川や十勝は他の地域より推薦を積極的に出しているようにも見えます。

推薦はもう入試日まで移動できませんが、一般入試に関しては倍率を見て出願先を変えたいと強く思った時は、出願変更の制度を利用することも可能です。

出願変更の申し込みは1月29日(水)午前9時から2月4日(火)午後4時まで。希望する人は在籍する中学校を通じて出願を変更します。

途中、1月31日には出願変更状況の中間発表があり、各高校に掲示されます。

出願変更後の出願状況がわかるのは、2月14日(金) 。北海道教育委員会のサイト、各高校掲示で発表されます。

推薦入試の合格内定者数の発表は2月20日。そして推薦に合格できなかった人のために2月21日(金)〜2月26日(水)の日程で、一般入試への再出願期間が設けられています。

その結果を受けて最終的な再出願後の出願状況がわかるのは3月2日(月)です。道教委のサイトや新聞で、貴重な現在の出願状況の情報が期間限定で掲載されていきますので、参考までにチェックするといいと思います。

北海道高校入試の流れとは?2020年度スケジュール【保存版】

しかしここまでしっかり話し合って決めた出願先だと思うので、あまり倍率の数字にとらわれず、本人の希望通りに受検するのが一番だと思います。今年は特にいろいろと感染症が心配で、保護者の皆さんは健康のサポートに気を揉んでいると思います。どうか皆さんが健康にラストスパートを乗り切れますように!

参照:北海道教育委員会