北海道の高校入試制度は長い間大枠が変わらないという特徴があります。また道外から来た人や初めて経験する人には分かりにくい、独特な部分もあります。そんな北海道の高校入試の流れと日程をまとめました。
社会状況による影響で、変更になる可能性もあります。最新の情報は各学校や北海道教育委員会のサイトなどでご確認ください。また参考に昨年度の記事のリンクも載せています。比較用としてお使いください。
北海道の高校入試とは
いくつ受検できる?
最大4つと言われています。当然ですが受検日が重なるところは受けられないので、一般入試で日程の異なる学校を受けようとすると、公立1校、私立はA日程、B日程で一校ずつ、志望によっては高等専門学校の4つまでという考え方です。
ただ昨今では高専は、受け方によっては道内4つを複数受検することができます。また公立の推薦で不合格になった場合、一般入試への再出願という制度もあるので、厳密に言うと4つではないのかもしれません。
又私立の一般入試はA日程、B日程と2つの日程がありますが、多くの高校がA日程となっていて、札幌以外の地域では一校しか受検できないことも多いようです。
2023年度(令和5年度)北海道私立高校の入試AB日程について
大まかな流れは
北海道の高校入試の流れとは、上記の4つまでの志望校自分の受けたい高校と受け方、優先順位を11〜12月までに決定し、願書を出し、受検し結果を待つというものです。
公立の中学3年生の経験する高校入試の流れは次のようになります。
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- 7〜10月ごろ:学校祭、学校説明会が多く開催される志望校選考・決定の時期
- 9〜11月:総合ABCテスト
- 11〜12月:志望校の最終決定の時期
- 12〜1月:願書の配布・提出
- 1月:私立単願・推薦入試 / 高専入試 / 公立出願状況の発表(当初)
- 2月:公立推薦入試 / 私立A日程、B日程一般入試
- 3月:公立一般入試 合格発表 / 一般入試(公立・私立)入学手続き
※例年の流れ。社会状況によっては変更になる可能性があります。
3学期の受検が中学生が初めて経験する大きな壁であることはもちろんですが、志望校や受検方法を決定するまでのプロセスも大きな労力が必要です。またここには書いていませんが、内申点を左右する定期テストにも手を抜けません。
中学3年生になるとすぐに具体的な志望を調査する進路希望調査が始まり、これは年間を通して何度か行われます。生徒と担任の先生との進路に関する面談も何度もあるはずです。
保護者が中学の担任の先生と直接進路について話すのは、おそらく夏と冬の2回の三者面談の時でしょう。一般的に冬の面談が進路の最終決定になります。
中学受験はよく親子の受験などと言われますが、高校受検の主役はあくまでも生徒本人です。とはいえ、情報収集やサポートなど親にできることもたくさんあります。
本人にとって一番いいと思える進路決定とそのサポートのために、今年度のスケジュールとそれぞれの時期の留意事項などを詳しく見ていきます。
高校入試スケジュール:志望校決定まで
北海道の公立中学3年生のスケジュールは以下のようになります。
進路希望調査
公立中学校では3年生になると、どのような進路を志望しているかを調査が年間を通じて何度か行われます。おそらく最初の進路希望調査の用紙は、1学期が始まって間もない時期に配布されます。
生徒本人が書いて、保護者が確認印を押す形が一般的だと思います。生徒、保護者、担任の意思疎通は高校受検においてとても大切なので、その時点で考えている進路や受検方法をはっきり伝えましょう。
高校学校祭、学校説明会
学校祭は7月頃行う高校が多く、学校説明会やオープンスクールは夏から秋にかけて実施されることが多いです。気になる学校へ足を運んで情報収集をしましょう。
公立高校は回数が少なく中3のみが対象となっていることが多いです。中学校を通して申し込みをする場合が多く、早めに校内締め切りが設定されていることがあるので、中学校からのお知らせを見逃さないようにしましょう。
私立は複数回開催する場合や学年を指定していない場合も多く、ホームページなどを通して個人で申し込みができる所もあります。1・2年生から学校説明会に足を運んでも情報収集を始めてもいいかもしれません。ただし、2020年以降は対象者や同伴者の人数を絞っている高校もあります。
夏の三者面談
個別懇談、懇談会などと呼ばれる公立中学の担任の先生、生徒、保護者の面談の初回は夏に行われることが多いようです。これより前に進路希望調査や生徒との二者面談は行われている筈ですので、進路や成績について内申ランクなど具体的な話が出るのではないでしょうか。
考えている志望校があるのなら、担任の先生に伝えておくことは大切です。推薦を考えている場合や、私立の単願について、併願の相談なども生徒と保護者の意思が統一されているならどんどん伝えましょう。北海道の公立高校の推薦は、学校推薦なのでまずは中学校の推薦を得る必要があります。推薦を考えている場合はこちらの記事をどうぞ。
迷っている場合もその通り伝えればいいのではないでしょうか。次回の冬の三者面談はもう決定と最終確認なので、相談をするのならこの時です。
進路説明会
秋頃、中3の学年全体で保護者向けの進路説明会が行われると思います。仕事などで行けない場合も、詳しい資料が配布される筈ですので、それほど心配はいらないと思います。
学力テスト総合ABC
学力テスト総合ABCとは、北海道の公立中学校3年生が学校で一斉に受ける学力テストです。例年は9・10・11月と計3回行われます。それぞれ出題範囲が決まっており、事前に知らされます。
このテストは学校の成績や内申点には関係ありません。ただ、進路決定の参考に使用されます。
それぞれの在籍中学校で行われます。
進路写真撮影
全ての中学で行われているかは分かりませんが、私の知っている札幌の公立中学では願書用の写真の撮影も学校でまとめて行われます。
冬の三者面談
大体12月の中旬までには行われる、担任の先生、生徒、保護者の三者面談です。多くの場合進路の最終決定の確認となるでしょう。よく考えて生徒、保護者の統一した意思を伝えましょう。
三者面談はどう乗り切る?志望校の決定体験談と総合テストABC
高校入試スケジュール:願書配布から受検まで
進路が決定したら後は粛々と手続きをこなし、受検に向けて取り組んでいきます。
願書の配布・提出
おそらく札幌の中学校は大体皆同じだと思いますが、公立高校、私立高校共に願書は中学校を通じて提出します。願書の取り寄せも進路希望調査を元に中学校が行います。生徒への下書きの指導もしてくれます。地域によっては違うかもしれませんので、通っている中学の指示に従ってください。
うちの子供の札幌市内の中学の願書配布と提出のスケジュールはこのような感じでした。
●公立
願書配布:2学期の終業式直前
生徒から中学への提出:冬休み明けすぐ
中学校の方針によって、2学期中に配布と提出を済ますところもあるようです。取りまとめた願書の提出は、例年1月の下旬に中学校が行います。
※公立は一般・推薦とも出願受付期間は同じ
●私立
私立は地域やその学校、受検の仕方によって様々なので受検する学校の募集要項をよくお読みください。
なお願書は公立・私立とも、保護者ではなく生徒本人が書きます。
私立単願・推薦入試
学校によって異なります。それぞれの学校の募集要項でご確認ください。
一般的に北海道の私立の単願・推薦入試の面接試験日は1月の中旬から下旬に設定されているところが多いようです。
私学ナビの入試・転入学情報のページの「推薦入試日程」では、北海道の私立高校の推薦入試日程情報がまとまった一覧表が掲載されています。
私立一般入試AB日程
私立高校の一般入試日程の記事はこちらをどうぞ。
高専入試
高専の入試日程は私立高校・公立高校と重ならないように設定されます。
検査日:
本試験:令和6年2月11日(日)
追試験:令和6年2月25日(日)
一般学力検査は、全ての高専が同日です。
推薦は例年1月下旬ごろとなっています。各高専の受験要項などでお確かめください。
国立専門高等学校機構のサイトでは、全国の国立高専の情報も検索できます。
願書提出から入学まで:3学期のスケジュール
願書提出から入学までの北海道の高校入試スケジュールは、こちら↓の記事でまとめました。
続きはこちらでご覧ください。
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