高校入試の進路指導

geralt / Pixabay

2020年度 北海道・札幌 高校入試の関連記事

中3の三者面談の重要性

進路を決定するにあたって、中学校3年生の三者面談は重要な役割を果たします。北海道の公立中学校では、大体夏と冬の2回、担任の先生と生徒・保護者の3者面談があり、他に数回の生徒と担任の二者面談があることが多いようです。

特に12月ごろに行われる冬の三者面談は、進路の最終決定をする場として重要です。希望通りの志望校を受検するためには、まず本人の意思を元に家庭での方針を決め、中学の先生とも合意を取らなくてはなりません。冬の三者面談はその確認の場となるでしょう。

塾なしで受検する場合、塾の先生のアドバイスはありませんので、学校祭やオープンスクール、説明会などでせっせと情報を集め、北海道学力コンクール(道コン)の受検データなどで自分の位置を知り、受検に臨むことになります。本人と家庭で積極的に情報を集めて受検を進めていく心構えが必要です。

進路指導は担任次第?

もちろん中学の担任の先生のアドバイスも進路決定の参考となりますが、中学の先生は色々な方がいらっしゃって、必ずしも進路指導が得意な方ばかりではないのが実際のところのようです。

私が見聞きしたり感じたケースの中にも、例えばこんなことがありました。A日程の私立併願校をB日程と紹介された。明らかに理系を志望しているのに文系学部しかない大学付属校を勧められた。営業にくる私立をそのまま勧められている気がする。基本的に内申ランクしか見ていないのではないか、などなど。

もちろん素晴らしい進路指導をする先生もいらっしゃるのでしょう。でも北海道のようにこれだけ学区が広いと、進路指導に苦手意識を持つ先生がいるのもある意味仕方がないような気もします。

昔は学区が狭かったので、地域の限られた高校の情報が分かればよかったのでしょうが、札幌を含む石狩学区だけを見ても広大です。私立高校のコース分けも細分化し、毎年のように新しいコースができたり変更があったりしています。ベテランの先生もデータをどんどん更新していかないと適切な進路指導ができません。

なおかつ北海道の高校受検指導は、驚くほど全てを中学が抱え込んでいて、中学3年生の担任の先生の業務量は膨大だと察します。

例えば首都圏などでは、私立の個別相談や願書の取り寄せなどは個人対高校のやりとりであって、中学校の業務ではありません。願書に貼る写真も個人で用意することが多いのではないでしょうか。

公立高校受検に占める内申書の重みも通常は北海道より軽いです。(一律ではなく高校が裁量で決められる場合も多い。)また推薦も東京都を除き学校推薦ではなく自己推薦が主流なので、中学校の決定が合否を左右することは北海道よりずっと少ないのです。

また中学は内申データはがっちり把握していますが、生徒が学力点をどのくらい取れるかというデータは把握しにくいようです。そのために学力テスト総合ABCがありますが結果が出るのは秋以降なので、特にそれまでは内申ランクしか見ていないように感じられることもあるようです。

学力があっても内申ランクが足りないタイプの生徒は、学校の進路指導がしっくりこないケースもあるようです。やはり生徒本人と家庭が、自分たちで受検を主導していく気持ちが重要なのではないかと思います。

学力テスト総合ABCについて

総合ABCとは

学力テスト総合ABCとは、北海道の公立中学校3年生が中学校で一斉に受ける学力テストです。9・10・11月に1回ずつ計3回行われます。それぞれ出題範囲が決まっており、事前にプリントで知らされます。

ちなみに2019年は下記の日程で行われました。

学力テスト総合A:2019年9月11日
学力テスト総合B:2019年10月10日
学力テスト総合C:2019年11月7日

このテストは学校の成績や内申点には関係ありません。ただ、進路決定の参考に使用されます。

北海道の高校の一般入試は、内申点と当日の学力点で選抜されます。募集人員の70%は内申と学力点半々の割合で見られます。つまり内申と学力2つのデータがないと、合格可能性が分からず適切な進路指導ができません。

中学校は、生徒の内申点はもちろん把握しています。しかし校内で模試を受ける訳ではないので、中3の夏まで学力点の目安のデータがありません。そこで進路指導に必要な2つ目のデータ、当日の学力点の目安を把握するために、秋に学力テスト総合ABCを中学で一斉に受けて進路指導に活用します。

北海道高校入試の流れとは?2020年度スケジュール【保存版】

どのように活用するか

上の子の冬の面談の時の担任の先生のやり方はこうでした。

1.総合ABCの合計点を全て足して3で割る。(合計点の平均を出す)
2.その点数を市販の「道新受験情報」夏号(合格データ特集)の相関表の合格ラインに当てはめて判断する。

正直に申し上げて、随分とざっくりした判断だなと思いました。

この道新プラス 道新受験情報 2020 高校入試 合格データ特集の合格データは、昨年の公立高校一般入試のデータです。テストというのは、平均的に作ろうと思ってもどうしてもそれそれ平均点が違いますから、点数で判断するのであれば、それぞれのテスト毎のデータに当てはめないと意味がないんじゃないかと思うのですが…。更に言うと入試もABCもそれぞれ範囲が異なるテストなので、昨年度のデータを同じように使い回すことに疑問が残ります。

道コンでは総合A、B、Cそれぞれの得点をSSという偏差値に換算して、昨年度の入試に直すと何点になるかが分かる「得点-道コンSS換算表」という資料があり公表しているのですが、うちの子の中学校ではその資料は使わないようでした。

学校や担任の先生によってやり方は異なると思うので一概には言えませんが、学校の面談で細やかな合否判断を求めるのは難しいのかもしれません。

志望校決定体験談

第一志望はこう決めた

前述の通り先生にも得意分野があり、進路指導を得意としない方もいます。実はうちの上の子の担任の先生は人間的にはいい方だったんですが、自ら「進路のことはあまり私に聞かないで」とたびたび保護者会で話すくらい進路指導に自信がない様子でした。

だったら全部こちらで決めさせてくれればいいのに、そうもいかないのが難しいところです(^-^;)

当時うちの子は部活で毎日遅かったのもあって、塾には通っていません。部活引退後も本人は塾に行く気にはならず、通信教育や問題集をやりながらほぼ独学でした。ただ客観的なデータが欲しかったので、道コンは3年になってから毎回受けていました。

受検を意識するのも遅かったのもあり、それが内申ランクに響いている状態。道コンの第一志望校の合否判定はいつもボーダーライン上。ライン上から外れることもない代わりに、内側の安全圏に入り込む訳でもないという状況です。

まさに受かるか落ちるか五分五分。ただ、ギリギリの時期に一つ内申ランクが上がったことが救いでした。

多分先生としても、気が気ではなかったことでしょう。第一志望のランクを落とすか、それともこのまま受検するか、皆さんならこういう場合どうしますか?

難しい判断ですよね。うちも悩みました。しかも塾なし受検なので、本人と家庭と中学の担任だけで決めなければなりません。

結果うちとしては、第一志望の公立はそのまま受検することにしました。理由はいくつかありますが、一番大きな理由は、本人が行きたいと強く思っていたからです。将来の志向にも合っていて、もし行ければ、ミスマッチはなくそこで頑張れるだろうと予想できました。

また、内申ランクより学力点の方が取れそうなタイプだったことも判断を後押ししました。部活引退後、行きたい学校が絞れて、遅ればせながら本人が受検に集中して来たと感じたことも理由の一つです。

また道コンデータも後押ししました。道コンの個人成績表では、第一志望の高校データの平均点・偏差値・順位が、全志望者と第一志望者のみが別の集計で分かるようになっています。このデータを見て、11月の時点で第一志望にしている道コン受検者の人数が思ったより少なく、順位もそう悪くないことに気づきました。

そこで、もしかしたら倍率はそう高くならないのではないかと予想し、それも決め手の一つになりました。実際、1月に出願状況を見ると、予想通りそれほど高くない倍率でした。秋ごろからの道コンデータは、皆第一志望を絞り込んできているので、信頼性が増しかなり参考になります。

そこで、12月の3者面談では担任の先生に第一志望は変えずにそのまま受検する旨を伝えました。本人と家族の意思が固いことが分かると、担任の先生も反対はしませんでした。

翻弄された併願校の決定

そういう訳で第一志望に関しては希望通り出願が決まったのですが、実は併願の第二志望以降を決定する過程で一悶着ありました。受検生家族の皆さんに同じような思いをして欲しくないので、うちの体験したケースを書いて見たいと思います。

第一志望校の合否判定が五分五分だったので、第二志望校はある程度確実に入れそうで、しかも本人も行きたいと考えてミスマッチが少なそうなところを選ぶ必要があると考えました。

本人が興味がある学校が割と早くに見つかったので、早い時期から複数回説明会やオープンスクールに足を運び、具体的なボーダーライン(内申ランクなど)を直接その学校の先生から聞くことができ、そこを第二志望に選びました。そのボーダーなら大丈夫と確認できたからです。

ところが、それを秋の進路希望調査票に書いて伝えたところ、担任の先生に難色を示されてしまいました。どうもこの内申ランクだと「この学校は(難しくて)併願にならないからこちらの方に変えた方がいいんじゃないか」と子供との2者面談で言われたそうです。

それを子供から聞いて驚きました。こちらとしては説明会で直接ボーダーラインのことを聞いているので、そんな筈はないという確信がありました。道コンのデータでも十分狙える範囲です。私に直接言われたならその旨説明できたのですが、子供は担任の先生にそう言われたことで、秋も深まる時期に第二志望を変えた方がいいかとぐらついている様子です。

しかしどう考えても担任の先生の言うことが納得できなかったのと、変更先に勧められた学校は条件的に考えられなかったため、子供に説明会のボーダーの話と道コンデータのことを話してみるように勧めて希望は変えませんでした。

結果的に言うと、説明会で聞いたボーダーラインや道コンデータが正しく、担任の先生の認識は勘違いだったのです。

かなり昔にこの学校を受けた教え子がいたとかで、その頃の受験データを元に話していたのだとか。12月の3者面談でそう謝罪されたのですが、私にならともかく、子供との2者面談で動揺させるようなことを言うのは止めて欲しかったと言うのが本音です。

学校の受検データは時代によって変わっていくものです。この先生はベテランの先生でしたが、かえって古いデータの記憶があることで間違ってしまうこともあるんですね。正直に言うと進路指導に苦手意識があるなら、きちんと確認してから指導して欲しかったです。

この学校の説明会で直接話を聞いていたので慌てず済みましたが、もし聞いていなかったらと思うとゾッとしました。やはり自分の足で情報を集めることは大切ですね。

中学校は私立高校と事前の話し合うの?

そしてそのほかの併願でももう一悶着ありました。私立高校の志望を決めるに当たって、どこのコースを選ぶかということは重要ですよね。その私立高校によっては同じ学科でもいくつかのコースに分かれていて、将来受験する大学もそのコースによってある程度決められてしまう場合もあります。

ほかの併願の私立を選ぶに当たり、うちとしては国公立の大学を受験を目指すコースを選びたいと言う希望がありました。そこである私立高校の国公立を目指せるコース(仮にAコースとします)を志望することにしました。

その学校にはB(仮)コースという部活と勉強を両立できるコースもあり、コース間のスライド合格もあるという選抜方式を取っていました。これはAコースを受検して点数が足りなかった場合、Bコースの基準を満たしていればBコースに合格できるという方式で、私立入試にはしばしば見られます。

そのように学校のサイトに明記されていたため、結果Bコースになるかもしれないけれども、Aコースを志望するということを進路希望に出しそのコースを受検するつもりでいました。

ところが12月の3者面談で、担任の先生にこう言われました。「先日その私立高校の先生と話して、Bコースに是非と言われました。この学校はBコースで出願してください。」

特定を避けるためにフェイクを入れますが、その学校の募集要項にはこのようなことが明記してありました。

「うちの学校は内申ランクに関わらず当日の点数が基準を満たしていれば合格できます。目安は○点以上ならAコース、○点以上ならBコース…」

私立高校のコースというのは、場合によっては目指せる将来像が変わってくるほど違いがあります。頼んでもいないのに勝手に中学とその高校で話が進んでいることに驚くと同時に、Bコースなら他の高校を選ぶという選択肢もあるのに!と納得いかない思いを持ちました。

そこで上記の「内申ランクに関わらず当日の点数を満たしていれば…」と書いてある募集要項を示して、
「こう書いてあるにも関わらず、希望するコースに出願することができないのはおかしいのではないでしょうか。」
とこちらの思いを伝えました。

正直に言うと、前述の第二志望の件などもあり、担任の先生の勘違いなのではないかと思ったので、進路担当の先生に確認して欲しいとお願いしました。後日進路の先生にも確認してくれたようなのですが、答えはやはり出願はBコースで、とのこと。相手の学校と話した以上、その学校と中学との信頼関係を壊すわけにはいかないということなのでしょう。

生徒ファーストの受検はどこに?

せっかく募集要項に「内申に関わらず当日の得点で基準を満たしていれば…」と書いてあってもこの状態です。これが北海道の高校入試か…と改めてがっかりした出来事です。募集要項にあるのだから、中学に内緒でAコースを受検しようと思っても出来ないのです。なぜなら願書を取り寄せるのも、取りまとめて提出するのも中学校なのですから。

写真を撮るのも何もかも中学がやってくれて楽だ便利だと思っていたら、大間違いです。私が折に触れて中学に必要以上に高校入試に関わって欲しくないと語る理由は、生徒の中学生活の息苦しさを軽減したいと思うからですが、もう一つはこういう理不尽な進路決定を無くしたいと思うからです。

同じような思いをほかの受検生にして欲しくないので、フェイクを入れつつもかなり赤裸々に経験談を書きました。

時間が経って、あの時どうすれば正解だったんだろう…と考えることがあります。結局願書はBコースのものしか貰えず、言われるままにBコースで出願しました。ただ出願の前に子供には、「もし望むならAコースで出願できるようにもう一回先生と交渉するよ」と伝えました。募集要項にあるのですから、今でも本当に望むならそれも出来たのではないかとも思います。

しかし、この時子供からはこんな答えが返って来ました。

「第一志望と第二志望に合格すれば済む話なんだから、このままでいい」

「そうだね、○○の言う通りだ!」と言いながら、内心かなり驚きました。いつの間にこんなに頼もしくなったんだろうと。親バカですね…。でも高校受検は子供を大人にしますね。

うちの場合は多分これが正解だったのだと思います。これがバネになったのかどうかは分かりませんが、言葉通りその後の数ヶ月を頑張り、第一志望校に入学することが出来ました。

まとめ

自分で志望校を決めて、ラストスパートで尻上がりに頑張れたという思いは、入学後にも繋がったようです。中1の頃「なんで内申に拘らなきゃいけないのか分からない!」などという名言を吐いていた人でしたが、高校では勉強の意味を自分なりに咀嚼できたようで、それなりに頑張っていました。

よく背伸びをした志望校選びをしてギリギリで入っても、入学してからついていけず困るだけだというアドバイスをする人がいますが、私は必ずしもそうとは思いません。入ることができた時点で資格は満たしているのですから、その学校の校風やカリキュラムが本人とマッチしてさえいれば、良い高校生活が送れるのではないでしょうか。

志望校選びで大切なのは、本人の意思で選んでいるかと、目指す将来の方向に沿っているか、そして本人にマッチしているかどうかだと思います。

多分五分五分のギリギリで合格したうちの子の高校生活は、特についていけずに困るということもなく、大学受験に関しても、自分で志望校を選び、必要と分かると計画的に英検を準2級・2級と取っていき、やはり予備校なしで第一志望に合格することができました。これに関しては高校の多大なるサポートのおかげなので、本当に感謝しております。

そしてやはり、高校受検を自分の意思で頑張れたという経験が、その後の糧になったのではないかとも思います。

話が逸れてしまいましたが、もしどうしても併願で私立の特定のコースを受検したいと思うなら、早い時期に「絶対このコースで」と先生に伝えておくといいのかもしれませんね。このコースがダメなら別コースに出願するのではなくて、こっちの学校のこのコースを受けたい、などと具体的によく家庭で話し合って決めて、担任にもそれを伝えておく方がいいのかもしれません。

どうか最後の三者面談で、皆さんにぴったりの志望校が決まりますように!