2022年北海道私立高校入試が2月15日から行われています。2月15日のA日程入試が、生まれて初めての入試となる高校受検生も多いことでしょう。そんな節目となる高校入試ですが、2020年以降、無事に入試日を迎えることのハードルが上がっていることが、受検生や保護者、学校関係者を悩ませています。
こちらのHTB北海道ニュースによると、A日程の北海学園札幌高校では、欠席者は例年の約3倍に増えているということです。
私立高校入試でも欠席の場合は追試があるとはいえ、約1週間後に設定されていることが多いようで、十分な期間が空いているかどうかは意見が分かれるところだと思います。なお中学の学級閉鎖中の受検生が多いことが入試欠席の理由の一つとなっているようですが、欠席せざるを得なかった全ての受検生が不利益を受けないようにしていただきたいと切に願います。
高校受検や大学受験のニュースを追って来て感じるのは、受検生が制度やルールなどの変更に振り回される度合いが、ここ数年本当に酷いということです。不可抗力の面もありますが、そうじゃない部分も大きいと個人的には感じています。
2020年、21年は突然のイレギュラーへの対応能力を試されたように感じます。大学や高校が急に受験の内容を変更することもあり、不利益を被る受験生の話を見聞きする度に「それはないだろう」と非常に腹が立ちました。
今年は流石にそれはなくなっているようですが、今度は受検のスタートラインに立つまでの大元のルールに受検生が振り回されています。増してや今年の高校受検生は新学習指導要領の元で行われる高校受検に初めて対応しなくてはいけない学年。北海道では公立高校入試の裁量問題が廃止となるなど、過去問が殆ど機能しない大きな変更を抱えた年でもあります。
思い通りにいかないのは受検だけではありません。学校生活でも行事や部活動の制限を受けてきた人が多いのではないでしょうか。2020年からの度々の休校や分散登校で、学校の授業の進み方もそれぞれの中学でばらつきや課題があったかもしれません。そんな中学生活を乗り越えて来て、さらに「受験日に試験場へ行く」ことにまで高いハードルを課せられている中学3年生。本当に心が痛みます。
もともと北海道の高校受検は受検機会が少ないのが特徴です。中学の学校長の推薦が受けられないほとんどの一般受検生の公立受検機会は一回のみ。
私立の一般入試にはA日程とB日程の2つの日程がありますが、多くの高校がA日程を選択していて実質B日程の受検機会がない地域も沢山あります。つまり、都市部以外では、公立も私立も1つずつしか受けられない一般受験生が大勢いるということです。
そういう受験生が受験のスタートラインに立てないという意味を、ルールを作る大人は強く考えるべきです。理不尽なことを受け容れる強さが道民の強みではありますが、それにも限度があります。
現場の先生方は頑張ってくださっているとは思いますが、どうぞ一人の受検生もとりこぼさないようにご配慮をお願いいたします。