2020年度(令和2年度)の北海道高校入試は、いくつかの大きな変更点と留意事項があります。中には倍率に大きな影響を与えそうなものもあるので、志望校を決定する際に頭に入れておきましょう。

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私立高校授業料の実質無償化

就学支援金制度が大幅に拡充

おそらく一番大きな昨年度までの違いとなるのは、2020年4月に改正される「高等学校等就学支援金制度」ではないでしょうか。私立高校授業料の実質無償化とも言われるこの制度では、就学支援金の上限が大きく引き上げられます。

年収の目安およそ590万円未満を対象に、私立高校の授業料が実質無償となる予定です。

画像:文部科学省 高校生等への修学支援リーフレット(令和元年8月)より引用

この制度はまだ最終的に国会を通ってないので、私立高校のパンフレットなどでは大々的に記載されてはいませんが、おそらく4月から施行されるでしょう。2019年度までの就学支援金は、公立は授業料が全額カバーされますが、私立高校に関しては、ほとんどの年収帯で授業料を部分的に充当するものでした。

しかし、これからは年収の目安およそ590万円未満という多くの世帯で、私立高校の平均的な授業料は全額カバーされ、実質無償化の恩恵が受けられそうです。もちろん私立高校は授業料以外にかかる月額費用も結構ありますので、全くの無償というわけにはいかないでしょう。それでも今までと比べれば、かなりの拡充です。

無償化によってどうなる?

この制度によって、経済的な理由で私立を選べないという世帯が減って、教育内容に魅力を感じれば単願や推薦で私立高校を選ぶという受検生が増える可能性もあります

また芸術系など私立の専門学科は高額な費用がかかるという今までの常識が変わり、本当にやりたいことを志望しやすくなるかもしれません。魅力あるカリキュラムの私立高校が選ばれるようになり、北海道の高校の多様性が広がるといいですね。

公立高校が第一志望で私立高校を滑り止めとして併願する場合でも、変化があるかもしれません。「経済的にどうしても第二志望の私立は避けたい」という世帯が減少すれば、第一志望・第二志望どちらに行っても大丈夫!という志望校選択ができそうです。

そうなると第一志望の公立に、実力より少し上の挑戦校を選ぶ受検生が増える可能性があります。公立も行ける高校ではなく行きたい高校に出願し易くなるのではないでしょうか。

ただ、懸念もあります。私立校のサイトなどには記載がありませんが、学校説明会に参加した保護者等に来年度からの入学金や授業料値上げがあるかもしれないと説明する学校がちらほらとあるようなのです。年収制限で対象とならなかった世帯への負担が大きくなるようなことは止めて欲しいですね。

それとは逆に、もともと授業料を無償にする独自の奨学金制度があった大谷高校では、この無償化制度によって今までの独自奨学金のメリットがなくなるため、対象者には支給型奨学金を上乗せする予定だと説明会で話しています。つまり授業料以外にかかる費用をある程度カバーするような奨学金にするということです。

今後北海道の私立全体に授業料以外の部分に充当できる独自奨学金が増えていけば、受検生にとって私立高校の単願、推薦受検は今までよりハードルが下がって行くのではないでしょうか。公立優位と言われる北海道の高校入試ですが、今後少しずつ変わって行くのかもしれませんね。

倍率を左右する募集人員の変更

公立高等学校配置計画

北海道教育委員会の公立高等学校配置計画というものがあります。それによると、平成31年に中学を卒業した中卒者が4万4千人台なのに対して、令和2年卒業予定者の数は4万2,571人予定だそうです。つまり令和2年度の高校受検生は、前年度よりも減少しています。

それなら、高校入試が楽になるのでは…?と考えるのは早計なようで、北海道教育委員会が2019年9月に発表された公立高等学校配置計画によると、複数の学区で、学級増より学級減が目立ちます。

特に石狩学区では定員を減らす学校が目立ち、その中には月寒、手稲、白石、市立札幌清田という昨年高倍率をつけた高校も含まれています。この公立高等学校配置計画は、その地域の中卒者数を考慮して高校の定員の増減を決定しているようなのですが、人気や倍率はあまり考慮していないように感じます。

今年は特に普通科人気校の定員が減ることで、倍率に大きく影響するのではないかと心配です。

なお2020年の倍率発表の日程などはこちらの記事にまとめました。

北海道公立高校の倍率はなぜ何度も発表?理由と日程、データの読み方

2020年1月28日発表の当初倍率が出ました。

2020年北海道公立高校の出願状況・当初の倍率が発表!石狩・札幌の状況は

石狩・札幌の推薦倍率の記事です。
2020年北海道公立高校推薦入試の出願状況と倍率は?

道内(石狩以外)の当初倍率と推薦倍率の記事です。
北海道公立高校出願状況。道内の石狩以外の倍率と傾向は

令和2年度に生徒募集人員が減少する高校は

道教委サイトでは令和2年度北海道立高等学校生徒募集人員を見ることができます。お住いの地域の生徒募集数を知りたい方は、確認してみてください。

ここでは石狩学区で募集人員が前年度より減少している学校をピックアップしてみます。(いずれも普通科で市立札幌清田は、普通科・普通コースを記しています。)

学校名 平成31年度 令和2年度募集人員
札幌月寒 320 280
札幌北陵 320 280
札幌手稲 320 280
札幌丘珠 320 280
札幌西陵 320 280
札幌白石 320 280
札幌あすかぜ 320 280
千歳 240 200
北広島西 320 280
恵庭南 240 200
市立札幌清田 280 200

北海道公立高校2020年の募集人員減と今後の公立高校配置計画

参照:北海道教育委員会 公立高等学校配置計画

高倍率だったのに定員減の高校は

上記の定員減の高校から昨年の最終倍率が1.1倍以上だったところを見てみます。

札幌月寒 1.5倍
札幌北陵 1.2倍
札幌手稲 1.1倍
札幌白石 1.2倍
千歳   1.1倍
市立札幌清田 1.2倍

昨年度の最終倍率1.5倍という札幌月寒。定員減で倍率はどうなるでしょうか。

ただ、月寒は推薦入試がないので見たままの倍率ですが、他の5校は推薦枠があるので、一般入試の倍率はこれより高かった筈です。

令和2年度から単位制となる市立札幌清田の普通科は、募集人員280名から200名と80名の減少。そして昨年の最終倍率は1.2倍。しかも推薦枠あり。一般入試の倍率はどうなるでしょう。

もちろん今から未来の倍率を予想することは出来ませんが、嫌な予感が漂うことは否めません。例をあげると、平成30年度から320名→280名に定員減となった厚別高校は、それまで1倍程度だった当初倍率が1.4まで急上昇し、翌年も高止まりを見せています。

定員減が倍率に直結すると断言することは出来ません。しかし高倍率の人気校の定員を減らす必要があったのか、疑問に感じてしまいます。

確かにこれらの高校の近隣では中卒者数の減少があるのでしょうが、昔と違い石狩学区という大きな枠組みで高校入試は行われています。近隣の高校に出願する人ばかりではありません。前年度高倍率校の定員減で、志望校の選択と出願変更が混乱しなければいいのですが…。

参照:北海道教育委員会 令和2年度北海道立高等学校生徒募集人員pdf
札幌市 私立高等学校・私立特別支援学校高等部の入学者選抜

入学検定料のは早めに準備しよう

最後に事務的な注意点を。令和2年度の札幌市立中学の3学期の始業式は1月14日(火)です。そして、公立高校入試の願書の中学への提出締め切りが冬休み明けに設定されているところも多いのではないでしょうか。(その中学によります)

そこで気をつけたいのが、入学検定料の準備です。北海道立高校の入学検定料は、北海道収入証紙を北洋銀行などで購入して願書に貼付します。札幌市立高校は所定の用紙を使って振り込み、領収日付印の押された所定部分を貼付します。

14日火曜日提出だから月曜日に…とのんびり構えていてふと気づくと「銀行閉まってる〜!!」ということになりかねません。来年のカレンダーを見ると13日(月)が成人の日で11日から3連休。銀行で入学検定料の準備をするなら1月10日(金)がリミットです。

こういう連休明けの始業式の年は、土曜日あたりから「至急!休日に北海道収入証紙を買えるところを教えてください!!」というような切実な質問がネット上にちらほらと登場するので、ぜひ準備は早めに…。

ちなみに少ないですが休日に北海道収入証紙をゲットできるところもあるので、こちらの記事もどうぞ。

北海道収入証紙は道立高校入学に必要!銀行で買いそびれたときは?

2020年度北海道高校入試のスケジュールの流れはこちらをどうぞ。

北海道高校入試の流れとは?2020年度スケジュール【保存版