北海道公立高校入試の出願受付を受けて、2022年1月26日、北海道教育委員会は当初の出願状況を発表しました。この記事では出願状況を元に石狩の推薦入試の倍率を見てみます。
出願状況の発表
当初の出願状況では、それぞれの高校の出願者数と倍率も発表されますが、この倍率とは
出願者数合計÷募集人員
で計算される倍率、つまり推薦と一般を合わせた全体の倍率です。ちなみに計算した数字は、小数第2位を四捨五入して小数第1位までになっています。
札幌・石狩の当初倍率はこちらをご覧ください。
石狩以外の道内の公立高校の当初倍率はこちら
推薦入試の倍率は
自治体によっては推薦と一般入試の倍率は別に発表されることが多いのですが、北海道は推薦入試だけの倍率は出しません。
そこでシンプルに推薦の標準枠(推薦の募集人員の上限のようなもの)と推薦出願者数の数字を使って、1倍以上となる学校の推薦のみの倍率を出してみました。計算式は次の通りです。
推薦出願者数÷推薦の標準枠(小数第三位を四捨五入)
また、一般入試とは違って推薦入学において出願変更は認められていませんので、推薦入試日までこの数字が変更になることはないでしょう。
ただし、実際にこの倍率通りになるかどうかはわかりません。というのも、その年、また高校によっては、推薦の標準枠より若干名多く内定を出す場合があるからです。反対に1.0倍以内の推薦出願者数であっても、油断は禁物です。標準枠を満たしていない場合でも、推薦出願者が基準を満たしていない場合、落ちることもあります。
参考までに、昨年(2021年)どこが多く内定を出したか、どこが標準枠より少なくても落としたか、詳しくはこちらの記事で確認してください。
2021年北海道公立高校の推薦入試。合格内定者数が発表
石狩学区で推薦入試1倍以上の学校
全日制
石狩学区で推薦入試の倍率が1倍を超えた全日制の学校・学科は以下の5つ。
学校名 | 学科名 | 推薦標準枠 | 推薦出願者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
札幌国際情報 | 普通 | 24 | 47 | 1.96 | 国際文化 | 40 | 52 | 1.30 |
北広島 | 普通 | 56 | 57 | 1.02 |
市立札幌旭丘 | 普通 | 48 | 62 | 1.29 |
市立札幌平岸 | デザインアート | 20 | 25 | 1.25 |
札幌国際情報の普通が1.96倍、国際文化が1.30倍。
市立札幌旭丘が1.29倍となっています。
定時制
定時制で推薦標準枠のある市立札幌大通は、普通科の中に、午前・午後・夜間のコースがありますが、日中に通える午前と午後が高倍率となりました。また2022年から自己推薦入試を導入しています。
学校名 | 学科名 | 推薦標準枠 | 推薦出願者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
市立札幌大通 | 普通(午前) | 30 | 140 | 4.67 |
普通(午後) | 30 | 114 | 3.80 |
自己推薦になったことで、昨年までも高かった推薦倍率に拍車がかかりました。
なお、市立札幌大通の普通(夜間)は、推薦標準枠50に対して推薦出願者数は43人となっており若干余裕があるので、スライド合格も考えられます。
夜間は一般と推薦を合わせた倍率も0.7倍で定員割れしているので、「昼間に通える定時制」のニーズが高まっていると言えそうです。
石狩学区のその他は標準枠より志願者が少ない
石狩学区のその他の推薦入試を行う全日制高校は、推薦出願者数が推薦の標準枠より少なく、1倍に届きません。1倍より少ないから絶対に落ちないと断言できるわけではありませんが、過去のデータを見るとそういうケースはそれほど多くはありません。
その他の推薦人気校を見ると、市立札幌新川は、推薦標準枠64に対して推薦出願者数は45人。
札幌国際情報のグローバルビジネスが、推薦標準枠60に対して推薦出願者数は39人。
札幌啓成の普通が、推薦標準枠56に対して推薦出願者数は36人。
札幌手稲の普通が、推薦標準枠64に対して推薦出願者数は45人となっています。
推薦の選抜方法は
推薦入試の方法は面接が一般的で、自己アピール文の提出も多く見られます。推薦を実施する高校の中には、面接や自己アピール文の他にも独自の選抜方法で内定者を選んでいる高校もあります。
札幌国際情報(国際文化)・千歳(国際教養)・札幌啓成(普通・理数)は英語による問答、札幌旭丘は英語の聞き取りテストと適性検査。札幌清田は適性検査と自己アピール文に加え普通科で英語の聞き取りテスト、グローバルでは英語の聞き取りテストと英語による問答を採用しています。
札幌啓成(普通・理数)の英語による問答の採用は2021年度からです。
石狩翔陽(総合)は作文を採用しています。また、札幌平岸(デザインアート)と恵庭南(体育)は、それぞれ実技試験があります。
恵庭南の体育科に関しては、推薦の選抜において運動能力・技能テストがあり、このテストで基準に達する必要があるようです。
定時制の市立札幌大通は、自己推薦書の提出と作文があります。
札幌市立高校は積極的に独自の推薦選抜を採用している印象が強いです。
なお残念ながら推薦で内定が出なかった場合は、一般入試に再出願することができます。
今後のスケジュールに関してはこちらの記事をどうぞ
北海道の推薦入試制度に関してはこちらの記事をどうぞ
参照:北海道教育委員会 高等学校入学者選抜状況 :出願状況