2020北海道の私立高校の入試志願状況・倍率が発表されました

2020年2月10日、北海道のサイト学事課のページで、北海道の私立高校の志願状況が発表されました。

北海道全体の状況

2020年の北海道の私立高校の募集定員は、すべての学科を合わせると10,977人。それに対して志願者数は34,676人となり、倍率は3.16倍となりました。昨年度の3.24倍と比べると0.08ポイント低くなります。

平成31年に中学を卒業した中卒者が4万4千人台なのに対して、令和2年卒業予定者の数は4万2,571人予定。倍率の変化は今年度の中学3年生の減少も関係しているかもしれません。北海道の私立高校全体の募集定員は、前年に比べて140人減。それに対して志願者数は、1,391人減少しています。

私立高校の倍率は、公立高校の倍率と同じ感覚で見ると非常に高倍率。そのため驚いてしまうかもしれませんが、それほど心配することはありません。

公立高校は、募集人員ぴったりの合格者しか出せないので、倍率が実際の競争率の参考になりますが、私立の場合は募集人員の何倍もの合格者を出すことができるので、実質倍率はここで発表される倍率とはかなり異なります。

私立の一般入試の場合、公立との併願でそちらに流れていく合格者が多数出るので、それを見越してかなり多くの合格者を出すわけです。また私立は同じ普通科でも学力などによりいくつかのコースに分かれていることが多く、上位コースの合格基準を満たしていなくても他のコースで合格になることもあります。

合格者数を非公表としている学校も多いのではっきりとはわかりませんが、上位コースや奨学生にチャレンジする場合は狭き門になっても、全体の実質倍率はそれほどにならないことが多いはずです。

出願の時点で中学の先生や高校の相談会で十分相談できていれば、倍率が高くてもそれほど心配しなくてもいいのではないでしょうか。

上記をふまえて、5倍以上の高倍率の高校を見てみます。比較のため昨年の倍率(H31倍率)も記載します。R2(2020年)は赤色の倍率を見てください。

学校名	学科名（募集定員）	志願者数	R2倍率	H31倍率
北海	普通(385)	2,019	5.2	5.2
札幌光星	普通(360)	2,233	6.2	7.4
札幌第一	普通(400)	2,218	5.5	6.2
札幌創成	普通(305)	1,922	6.3	6.0
札幌日本大学	普通(314)	1,634	5.2	5.7
帯広大谷	普通(260)	1,382	5.3	5.7
武修館	普通(140)	984	7.0	7.2

次に4倍台の高倍率の高校を見てみます。比較のため昨年の倍率(H31倍率)も記載します。R2(2020年)は赤色の倍率を見てください。

学校名	学科名（募集定員）	志願者数	R2倍率	H31倍率
北星学園大学附属	普通(255)	1,076	4.2	4.3
札幌北斗	普通(340)	1,355	4.0	4.0
海星学院	普通(105)	434	4.1	4.3
旭川実業	普通(150)	698	4.7	4.3
北見藤	普通(140)	630	4.5	5.4

次に今年の人気の傾向を把握するヒントとして、平成31年と比較して、倍率0.5ポイント以上の変動があった学校を見ていきます。

まずは0.5ポイント以上倍率が上がった学校です。R2(2020年)は赤色の倍率。

学校名	学科名（募集定員）	R2倍率	H31倍率	増加pt
北海道文教大学明清	普通（120）	2.2	1.0	＋1.2
とわの森三愛※	農業（40）	2.1	0.9	＋1.2
函館大学附属柏稜	普通（140）	2.3	1.5	＋0.8
函館大妻	福祉（40）	1.2	0.7	＋0.5

※とわの森三愛は、正式名称が「酪農学園大学附属とわの森三愛」学科は「アグリクリエイト」です。

偶然かもしれませんが、大きく上がったのは4つとも大学附属や系列の高校です。やはり大学入試改革の迷走が影響しているのでしょうか。

次に0.5ポイント以上倍率が減少した学校です。R2(2020年)は赤色の倍率。

学校名	学科名（募集定員）	R2倍率	H31倍率	減少pt
札幌光星	普通（360）	6.2	7.4	-1.2
札幌第一	普通（400）	5.5	6.2	-0.7
札幌日本大学	普通（314）	5.2	5.7	-0.5
旭川実業	工業（105）	1.8	2.3	-0.5
旭川藤星	普通（140）	2.4	2.9	-0.5
北見藤	普通（140）	4.5	5.4	-0.9