【特集記事】転校生目線で見た子どもの生活と北海道・札幌ルール

前回、こちらの記事
札幌の学校はスキー学習があるって本当?大変じゃない?
で札幌のスキー学習について書きました。この記事はその続きとして、我が家が体験したスキー学習の一例について書きたいと思います。札幌の学校すべてに当てはまるわけではないことをご了承ください。

札幌のスキー場

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札幌には多くの山があり、日帰りで気軽に行ける距離にスキー場があります。

市内のスキー場、札幌藻岩山スキー場・さっぽろばんけいスキー場・フッズスノーエリア、サッポロテイネ・札幌国際スキー場・国営滝野すずらん丘陵公園スノーワールドは、アクセスの良さと雪質の良さを併せ持ち、思い立った時に気軽に行けるスキー場として市民に親しまれています。

これらのスキー場について詳しくは、ようこそさっぽろのこちらのページへどうぞ

http://www.sapporo.travel/special/feature_article/ski_resorts/

札幌市内のスキー場は、観光でいらしている方も手軽に日帰りで楽しめます。

どこのスキー場に行くの?

スキー学習をどこのゲレンデで行うかは、それぞれの学校によって異なります。詳細は通うこととなる学校に問い合わせてみてください。(前記事でも触れましたが、スキー学習の有無を含め、取り組みは学校によって異なります。)

ただ、札幌でスキー学習によく使われるスキー場として有名なのは、札幌藻岩山スキー場ではないでしょうか。というのも、このスキー場ではスノーボードが全面禁止となっているのです。

このことで子ども達が比較的安全にスキーで滑走することができ、また市内中心部から車で20分という利便性も手伝って、3学期にはスキー学習の小中学生の姿をたくさん見ることができます。

うちの子ども達の通う学校も、学校の校庭での学習の他に藻岩山スキー場での学習がありました。

スキーを楽しむ絶好の環境

このようなアクセスの良い場所に複数のスキー場があるということで、札幌の子ども達は、スキーを楽しむ絶好の環境に恵まれていると言えるでしょう。また、雪に閉ざされどうしても運動不足になりがちな冬、せっかく恵まれたこの環境を利用してウィンタースポーツを楽しむことは、とてもいいことだと思いますし、自然なことだと思います。

ですから、決して私としてはスキー学習を否定的に見ているわけではありません。まずはそれを声を大にして言います。スキーというのは、子どもの自立心を育てるのにももってこいのスポーツだとも思っています。

自分の装備は自分で持つ。転んだら起き上がる。登ったら自分の力で降りなくてはいけない。スキーは小さい頃からそういった責任感や自立心をを知らず身に付けられるスポーツです。

恐怖の克服やコントロール、滑走の爽快感。初めてのコースに挑戦する気持ちや滑走後の達成感。どれもスキーの醍醐味です。

私も少しですがスキー経験があったので、そんな子どもにとってのスキーの良さも理解でき、子ども達を含めてスキーにマイナスイメージはなかったのですが、所詮内地から来た人間。実際スキー学習を経験してみて、カルチャーショックのようなものを感じたこともまた事実です…。

そして、転校生ということで、事前に先生や同級生のママから貰ったアドバイスがとても役に立ちました。「教えて貰ってよかった〜!」と本当に感謝したので、これからスキー学習を経験する転校生へ、スキー学習の様子と貰ったアドバイスをご紹介したいと思います。

前述の通り、藻岩山でのスキー学習は割とポピュラーだと思いますが、スキー学習の取り組みはその学校によって異なりますし、その年によってまた学年によっても違います。

そのため全く当てはまらないケースもあると思いますが、一転校生の感想ということでご了承ください。

学校でのスキー学習は

登下校 with スキー道具

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うちの子が通う学校では、冬になると校庭に大きな雪山を作り、そこで授業の一環としてスキーをします。低学年は学校でのスキー学習のみ、中学年以降はそれプラス藻岩山スキー場での学習が2回ほどありました。

ゲレンデでのスキー学習の場合は1日中スキーなのでまだいいのですが、学校でのスキー学習の場合は、他の授業もあるわけです。

その学年によっては、負担が少ないように配慮してくれる年もありましたが、プール学習がある日にビーチバッグと勉強道具を持っていくのと同じように、基本的に教科書などの勉強道具とスキー靴や板などの道具を両方持っていかなくてはなりません。

そして、プール学習との違いは装備の重さ。

場合によって、低学年や家の遠い子は道具を置いておいていいなどの措置があるかもしれませんが、そうでない場合はスキーのある日は道具を持ち運ばねばならず、登下校が大変です。小さな体で重い道具を持って登下校する姿を見ると、健気だなぁ…と感じます。

レベルごとにグループ分け

スキー学習のイメージも、プール学習に似ています。レベルごとにグループ分けをして、レベルに応じた指導を受けるイメージです。授業時間を2時間程続けて行うのも似ています。

レベル別なので、「滑れない」「スキーが初めて」でも、それほど心配する必要はないかもしれません。レベルに応じたグループで、自分なりに一生懸命取り組めばそれでいいようです。

札幌の子どもも、小さな頃からスキー経験があり既に上級者というような子がいる一方、スキーが好きではない子だっています。その辺りもプール学習と似ていますね。

ゲレンデでのスキー学習

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さて、うちの通う小学校では、3年生以降、藻岩山スキー場でのスキー学習がありました。藻岩山は、札幌ではスキー学習によく使われるスキー場です。

前述の通り、レベルごとに分けたグループでの学習となるので、リフトに乗れなくても、きちんと申告すればレベルに応じた指導を受けることができるはずです。無理矢理上級コースに連れて行かれるようなことはないので、その点は安心してください。

ただ、リフトに乗ってスイスイ滑ることができる子が多いのは否めません。特に高学年だと、転校生以外でリフトに乗れない子は少ないかも…。(子ども談)

転校生の感じる第一のカルチャーショックはそのあたりになりそうです。

装備の着脱などは自分で

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また、先生は一人につき多くの子どもを指導を行わないといけないので、大変です。保護者からスキーボランティアを募り、スキー学習の際の子どものケアをする取り組みもあるようですが、基本的に子どもたちは自分のことは自分でやる姿勢が求められます。

道具の持ち運びや、装備の着脱、転んだ後の起き上がり方などは、初心者でもできるようにしておくといいと良さそうです。

滑りは体育会系?

私は少しだけスキー経験があったのですが、ちょっと滑ってはロッジで何か食べ、また滑ってはロッジでお茶を飲み…という今思うと非常に軟弱なスキーヤーでした…。札幌の子どもたちに申し訳ないです。

結論から言うと、スキー学習ではロッジでお茶する時間はないです。というか、ロッジに入るのはトイレくらいで、基本ずっと外というケースも多いようです。

これは、天候と気温によってはかなりきついです。氷点下に慣れていない転校生にとって、これも試練かもしれません。じゃ、ご飯はどうするの?と思うかもしれませんが、次の章でお話しします。

お弁当について

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外でお弁当を食べる場合のアドバイス

ゲレンデでのスキー学習は、午前のみという場合もあるかもしれませんが、午前中から午後にかけて行われることが多いようです。その場合、お昼はお弁当を持参するところがほとんどではないでしょうか。

このお弁当について、初めてのゲレンデでのスキー学習の前に、小学校の同級生のママたちからこんなアドバイスを受けました。(記憶があやふやなのですが、先生から受けたアドバイスも混ざっているかも…。)

①お弁当用の手袋があるといい
②手に持って食べられるものがいい(おにぎりやサンドイッチなど)
③お弁当が凍らない対策をすること

これは、お弁当を外で食べる場合の対策です。結果的に、このアドバイスはとても役に立ちました。

お弁当はどこで食べる?

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どこでお弁当を食べるかは、学校によって、またその年の事情によっても異なるようです。うちは経験がありませんが、もしかしたらロッジでお弁当を食べられる幸運なケースもあるのかもしれません。

ただ、いくつもの学校が集まる3学期の藻岩山スキー場では、お弁当を食べる場所も限られています。バスの中で食べた年もありますが、ピストン輸送などの事情で、そうできない場合もあるようです。

そこで、お弁当を外で食べるというケースも少なくありません。うちの子の転校最初のスキー学習の際も、ゲレンデの下の方で、雪の上にレジャーシートを敷いて食べていました。

それまで湿った雪しか知らず、雪に上にレジャーシートを敷いてお弁当を食べるという発想がなかったので、衝撃を受けたのを憶えています。

札幌の他の学校に通う子にもお弁当はどこで食べるか聞いてみたことがあるのですが、その子の答えは、「レジャーシートなんて敷かないよ〜」ということでした。つまり雪の上にそのまま座るということですね♪

…この季節の乾雪だからできる技なんでしょう。

確かにレジャーシートを敷くと、下の方とはいえ平らな場所が限られているゲレンデですから、場所によっては、お弁当を食べながらもソリのように滑りだす!という漫画のようなことがあるんだそうです(子ども談)。だったら直接座っちゃった方がいい?の…か…な??

プール授業でいう着衣水泳のように、もしかしてサバイバル訓練を兼ねているの?と思ってしまいそうになりましたが、そういう意図は全くないようです。

そんな雪上で食べることもあるお弁当風景ですが、よく考えれば普段から雪山を体で滑って遊んでいる人たちなので子ども自身はそれほど抵抗はなく、そういうものだと思っているようです。たぶん。

お弁当用の手袋があるといい

北海道では、本当に気温が低い日は、短い時間でも手袋がないと辛いです。肌の露出をできるだけ少なくすることが防寒のコツです。そのためのこのアドバイスなのでしょう。

ゴワゴワのスキー手袋の他に、お弁当の時用の薄手の手袋があるといいよ、ということでした。

手に持って食べられるものがいい

そして寒い中手袋をして食べるには、お箸を使って食べるより、手に持って食べられるおにぎりやサンドイッチの方が食べやすいよ、というアドバイスです。確かに手袋をしていたり、手がかじかんでいたりしては、お箸は使いにくいですよね。

なお食べやすいものなら、おにぎりなどに拘らなくても大丈夫ではないかと思います。

凍らない対策をすること

うちの子の学校では、他の荷物と一緒にリュックなどに入れたお弁当は、まとめて外の雪の上で保管されます。氷点下の気温の雪の上に数時間置くというのは、その間冷凍庫に入れておくようなものですから、何も対策をしないと凍ります。

やっと待ちに待ったお昼の時間だ!という時に取り出したお弁当がカチンカチンに凍っていたら、悲しいですよね…。

そこで、お弁当が凍らないように、使い捨てカイロをいくつか使って、お弁当を囲むように入れるといいよ〜というアドバイスもありました。これは本当に聞いておいてよかったです。

そこで保温できるランチバッグに、使い捨てカイロ何個かで囲んだお弁当を入れて持たせました。

確かにこうすると、温めることはできませんが、凍りつくことは防げたそうです(子ども談)。スープジャーのような、保温できるタイプの容器を使ってもいいかもしれませんね。

以上のような外でお弁当を食べる時の対策が、口伝のように伝わっていることに感銘を受けたのでした…。

追記:最近では保温ジャーのようなお弁当箱もありますので、そういうのでもいいですよね。

転校生が冬休みに間にできること

初めてのスキー学習を前に、転校生がやっておくといいことはスキー道具の準備の他にあるでしょうか?

結論から言うと、札幌のスキー学習はレベル別なので、過度に心配しなくてもなんとかなると思います。回数も数回と少ないところがほとんどのようですし、札幌の子どものスキーレベルもいろいろです。

でももし、リフトに乗って滑りたい!上達したいという気持ちがお子さんにあるのなら、冬休みの間に練習してみてもいいかもしれません。無理強いは禁物ですが、子どもは上達も早いですし、リフトに乗れるようになればスキーが楽しくなるのではないでしょうか。

スキーに行ってみる

Unsplash / Pixabay

スキーの着脱や扱い方を覚えたら、スキー場に出かけてみるといいかもしれませんね。その際は、学校のスキー学習で行くことになっているスキー場を選んでみては?

というのも、スキー初心者にとって、初めてのコース、初めて乗るリフトというのは壁を感じるものだろうと思うからです。

反対に、行ったことのあるコース、乗ったことのあるリフトなら、特に子どもは「行ったことがあるから大丈夫!」という自信を持って臨めるようなんです。(皆そうとは限りませんが…。)

もし事情が許せばですが、学校で行く予定のコースに事前に行ければ自信につながり、スキー学習も安心して臨めるのではないかと思います。

スキー教室へ行く

とは言っても、私がそうだったように初心者の子どもを連れてのスキーなんて無理!という場合もあると思います。その場合は、子ども向けのスキー教室を利用するといいかもしれません。

札幌には各スキー場をホームとするジュニアスキー教室がいくつもあり、スイミングスクールのように市内を巡る送迎バスがあるところも多いです。冬休みに集中してレッスンを行うコースや、土日を利用するコースなどもあり、レベル別に有資格者による指導を受けられます。

初心者で学校のスキー学習を控えているという場合は、学校で行く予定のスキー場の教室を探すと安心かもしれませんね。うちも札幌で初めての冬休み、数日間のコースに行って、全くの初心者からなんとかリフトに乗って登り、滑って降りて来られるようになりました。

おかげで軟弱スキーヤーだった親の目から見ると大変そうなスキー学習も、毎年それなりに楽しみにしているようです。

まとめ

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札幌のスキー学習について我が家の経験をご紹介しました。結論としては、大変さもあるけれども、いくつものスキー場に恵まれたここ札幌で、ウィンタースポーツを経験できる良いチャンスでもあると思います。

暖かい土地から来た転校生にとっては驚きの連続かもしれませんが、防寒に気をつけて(寒いと心が折れそうになります…)楽しんでみてください!

※学校によって取り組みは様々です。同じ札幌市でも、全く事情が違うところもあるでしょう。ほんの一地域の一例として読んでいただければ幸いです。

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