2020年さっぽろ雪まつり大通会場の11丁目では、国際雪像コンクールが開催されます。日本人とは全く異なる感性の雪像は、驚くほど細密でとにかく一見の価値あり!です。

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国際雪像コンクールについて

国際雪像コンクールは今年で第47回を迎え、今回の雪まつりでは11チームが参加。参加国は以下の通りです。

フィンランド、オーストラリア、ハワイ、インドネシア、リトアニア、マカオ(中国)、モンゴル、ポーランド、シンガポール、タイ、姉妹都市ポートランド市(アメリカ)

2020年2月3日~2月11日の日程で開催され、2/7(金)に審査会と表彰式があり、優勝作品も決定しました。会期中に雪像製作の過程を見られるのがこのコンクールの特徴です。

国際的な感性がすごい!

国際雪像コンクールの作品は、日本のものとは全く違う素晴らしさがあり、見る度にこんな繊細な表現が出来るのか…と感動してしまいます。雪像というよりは彫刻といった方がふさわしいかもしれません。

どんな方が作っているかと団員のプロフィールを見ると、芸術家や彫刻家も多いですが、料理人、寿司職人、会社員、大学教授、美容師など様々です。暖かい国からの参加も多いので、必ずしも普段から雪と親しんでいるわけではないはずなのですが、皆さん素晴らしい技術ですね。

感性溢れる作品たち

それではそれぞれのチームの作品をみてみましょう。

モンゴル:マザー・ネイチャー

モンゴルでは、空は父親、自然は母親と言われているそうで、この雪像は自然を表す女性の姿、そしてモンゴル人の考え方を表すものとして山、川、太陽と月を表現しています。

穏やかで美しい表情が、母なる自然を感じさせます。
なんとモンゴルは国際雪像コンクール、初出場。それでこのクオリティの雪像とは!驚きです。

ハワイ:火山の女神 ペレ

ハワイの雪像は、火山の女神 ペレ。

ハワイの人はハワイ島のキラウエア火山の溶岩が流れ出す様子を”火山の女神ペレが火の中で天の神々に捧げるフラを踊っている”ように見えるのだそうです。

リトアニア:ホーム家

人が帰る場所として、そして心の安らぎとしての「家」。

開け放たれたドアは、帰ってくる人を迎え入れるため。

リトアニアの作品紹介文には、このように書いてあります。

第二次世界大戦中にナチス・ドイツによる大虐殺から何千人もの命を救った日本人 杉原千畝に捧げます。

姉妹都市ポートランド市:切り株の町 スタンプタウン

ポートランド市は切り株の町というニックネームがあるのだそうです。

切り株の中には、豊かな森。可愛い動物たちが遊んだりくつろいだりしています。
ポートランドという町を見事に表現した作品です。

ポーランド:ショパンコンクール

ピアノからインスピレーションを得た作品。

音楽と雪像、日本とポーランドを芸術という共通項で繋いでいるそうです。

オーストラリア:”ワラタ”

正しいタイトルは、オーストラリアのネイティブフラワー “ワラタ”オーストラリアでしか見ることのできない花で、鮮やかな赤い花と深い緑色の葉を持っています。

花も柔らかな葉も雪のキューブの中から見事に掘り出して表現されています。

3位から5位は

5位 マカオ(中国): 奔 騰

マカオ(中国)は、今にも空を駆けだしそうなペガサスの雪像。

マカオは歴代の優勝争いの常連チーム。さすがの実力です。

4位 シンガポール: XYZ スター

幾何学的な星をかたどった美しい造形。

ライティングで更に計算された造形が引き立ちます。
このデザインは、くす玉の折り紙に影響を受けたシンガポールの数学者であり折り紙作家でもあるフランシス・オウ氏からヒントを得ました。

3位 フィンランド: スパイラル

美しい表情の後ろは、スパイラル。自らの内面を見つめなおすことを表現。

見る角度により印象が変わる面白さがあります。

準優勝 インドネシア:絶滅危惧種オランウータン

インドネシアのカリマンタン島とスマトラ等の熱帯林に生息する、絶滅危惧種オランウータン。

バナナを取り合うオランウータンの親子の一コマを、生き生きと表現しています。

まるで人間のような表情に注目。

優勝 タイ:地球の未来を私たちの手で守ろう

温暖化の放置への警鐘を込めて作られた雪像。

ウミガメの親子がモチーフとなっています。

人の活動によって安心して産卵できる砂浜が減っている昨今、自然との共生を意識する必要がありますね。

コンクールなので順位がつけられますが、どの雪像も甲乙つけがたい完成度です。参加チームの皆さん、素晴らしい雪像をありがとうございました。また来年もお待ちしております!

動画はこちら

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