私は常々、札幌人(北海道人)のネーミングセンスに畏敬の念を持っています。
この札幌という地名をはじめ、北海道の地名を見れば、アイヌ語に漢字を当てはめてみたり、アイヌ語とのコラボレーションであったりするわけです。
この祖先にして今の札幌人あり、と、そのネーミングセンスには歴史さえ感じさせます。
ちなみに札幌という町の名の語源については、札幌市の公式ホームページによると、アイヌ語の「サリ・ポロ・ペッ」(その葦原が・広大な・川)とする説と「サッ・ポロ・ペッ」(乾いた・大きな・川)とする説 などがあるそうです。
現在の札幌人のネーミングセンスですが、いくつかの鉄板パターンを持っています。
そのひとつが、
長いものはとりあえず縮めてみる
です。
その言葉が実際に長いかどうかは、札幌人の判断にゆだねられます。
札幌人の判断によって縮められた言葉には、こんなものがあります。
例えば・・・
「サツエキ」・・・札幌駅のこと。幌は抜かされて、札と駅に縮めました。
「チカホ」 ・・・ 地下歩行空間のこと。大通と札幌駅を結ぶ地下道です。最初の3文字だけに縮められました。公式には間に「・」が入り、「チ・カ・ホ」となります。
「教文」 ・・・ 札幌市教育文化会館のこと。伝統芸能から、演劇、オペラ、ダンス、などのいろいろな公演が開催される札幌人にはおなじみのコンサートホールです。教と文だけに縮められました。
ちょっと思いつくだけでこんな感じです。
そもそも「札幌駅」という名前の長さは「東京駅」とか「横浜駅」とかとなんら変わらないので、はたして長いのか、という疑問があります。
しかし、縮めるべき長さかどうかは、札幌人の判断にゆだねられているので仕方がありません。
傾向として、どうも公募をすると、縮められてしまうことが多いような気がします。
地下歩行空間も数年前愛称を公募して、結果「チ・カ・ホ」に決定したのでした。
実はこのとき、
北3条交差点広場は「キタサン HIROBA」
北大通交差点広場は「ドオリ HIROBA」も同時に決定しています。
順調に縮まってますね。
そういえば、おととし円山動物園で大人気だったシロクマの双子の赤ちゃんの名前も、公募の結果「ポロロ」と
「マルル」に決定したのでした。
可愛い名前だな、とそのときは気にならなかったのですが、よく見れば札幌の一部の「ポロ」と円山動物園を縮めた「マル」ですよね。
そしてそこに、これも北海道のネーミングの良く見る手段である、
ラ行の語尾の繰り返し
(他に、きらら397【米】、キロロ【リゾート】などの例あり。)
が使われてます。
鉄板ですね。
札幌のアイドルだったポロロとマルルは大きくなって、惜しまれつつ徳島と熊本の動物園に旅立ってしまいましたが、去年の12月にお母さんシロクマ、ララの産んだ赤ちゃんが、現在新たなアイドルとして円山動物園で公開中です。
まだ名前が決まっていませんが、(7月に名前候補の来園者投票を行い、8月中旬くらいに決定する予定だそうです。)どんなネーミングセンスが発揮されるか、今から楽しみです!