一人一律10万円の「特別定額給付金」。決定まですったもんだがありましたが、国民全員に届くまでも時間がかかるようで…。
ただ、自治体によっては一日も早く住民に届けようと取り組んでいるところもあります。しかし人口の多い自治体は、時間がかかる傾向があるようです。

olgalionart / Pixabay

先払いの工夫。迅速な自治体も

北海道 湧別町

北海道の湧別町では、4月27日に4101世帯分の申請用紙の送付を行い、早ければ5月1日から振込が始まるそうです。

北海道 東川町

北海道 東川町では4月28日から東川町役場で申請の受け付けが始まり、早ければ4月30日にも先払いを始めるそうです。

北海道の市で最速は根室市

北海道の市としては最速の給付となったのが、根室市。感染対策にも工夫を凝らし、ドライブスルーで申請を受け付けも。5月8日には、市内の6割の世帯に特別定額給付金の振込が行われました。

札幌市の特別定額給付金はいつ?

札幌市では郵送申請の申請書が5月18日から順次発送されています。26日(火)までに全世帯に配布予定。

札幌市の特別定額給付金の郵送申請が順次開始。申請の方法は

申請書が到着したら必要事項を記入、押印し必要書類を添付した上で、同封の返信用封筒で申請書を返送します。返送された申請書は順次審査され、おおむね1週間から10日で給付予定だそうです。

なお発送直後申し込みが多い場合は時間がかかることもあるようです。

またオンライン申請の開始は5月29日(金)12時から。

最新の状況は、札幌市のサイトでお確かめください。こちらのページではDVなどで特別な配慮を要する方への対応についても触れています。

札幌市:特別定額給付金について

振込は5/27から始まました。

緊急経済対策として支給される、一律10万円の特別定額給付金について、札幌市では、27日から、給付金の振り込みが始まりました。

 「昨日現在で、56万件の(申請書の)返送をいただいているところであります。本日、1回目の給付を行ったところでございます」(札幌市・秋元克広市長)

 札幌市には、26日時点で、対象の97万世帯のうち、56万世帯から郵送による申し込みがありました。市は、27日、1回目の振り込みを行い、今月中に、およそ4万3000世帯分、81億円を給付する見込みです。

HBCニュースより引用:すでに半数以上の世帯から申し込み「一律10万円」振込開始 北海道札幌市

申請手続きは

「特別定額給付金」の申請手続きは郵送申請方式とマイナンバーカードを利用したオンライン申請があります。

郵送申請方式

市区町村から郵送される申請書に振込先口座を記入し、振込先口座の確認書類と本人確認書類の写しとともに返送。

希望しない、または不要という欄にチェックをしないように注意しましょう。

オンライン申請

マイナンバーカードなどがある人はオンライン申請が可能です。マイポータルから振込先口座を入力。振込先口座の確認書類をアップロードし、電子申請します。

ただし、マイナンバーカードさえだけあればいいという訳ではなく、いくつかの超えなければならないハードルがあります。他に必要なものとしては次のものが挙げられます。

・マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホ、又ははICカードリーダーを接続したPC
利用者証明用電子証明書の暗証番号(4桁の数字)
署名用電子証明書の暗証番号(6~16桁の英数字)
・振込先の金融機関名、口座番号、口座名義人が分かる通帳やキャッシュカード、 インターネットバンキングの画面の写し

この他に署名用電子証明書が失効していないことも条件となり、もし失効していた、暗証番号を忘れた、入力の際5回間違えた場合などは、市区町村の窓口に出向いて再設定やロックを解除をするなどの手続きが必要となります。

オンライン申請で窓口大混乱の皮肉

郵送よりオンライン申請の方が楽だし早いと思いきや、必ずしもそうとも言えない事態となっているようです。というのも、オンライン申請を試みたものの、マイナンバーカードの暗証番号と署名用電子証明書の再設定やロック解除が必要となる方が予想以上に多いようなのです。東京都内の様子は…

オンライン申請に必要なマイナンバーカードの手続きで市区町村の窓口に住民が殺到している。フロアに人があふれ6時間待ちの状態になる役所もあり、「まるで(密閉、密集、密接の)3密」との声も。土曜日に臨時開庁して対応する役所もあり、混乱状態となっている。

東京都品川区役所には8日朝から、マイナンバーカードの問い合わせのため住民が続々と訪れ、午前8時半ごろには整理券発行機の前に約130人が並んだ。

役所内で約6時間も待ち続けた無職の男性(77)は「マイナンバーカードの暗証番号を忘れてしまい再設定のためにきたが、人が多すぎて驚いた」。入力時に暗証番号を間違えて画面にロックがかかり、解除のため訪れたという男性会社員(30)も約5時間半待ち。「昨日も来たが混雑し過ぎて整理券も受け取れなかった。今日もこんなに並ぶなんて」とため息をついた。

せっかく3密を避けるために郵送方式としたのに、オンラインで大混雑とは…。なんとも皮肉な状況ですね。札幌市のオンライン申請は、5月下旬頃を予定していますが、申請を始めると上記の役所と同じような状況になってしまうかもしれません。

そこで札幌市では、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、下記のような場合は郵送申請方式を推奨しています。

・マイナンバーカードを持っていない、または、申請中で交付待ちの状態
・マイナンバーカードに署名用電子証明書を付加していない (カード申請時に、「電子証明書の発行を受けないこととする場合」という欄を黒く塗りつぶした、またはカード発行時に15歳未満だった)
・署名用電子証明書の有効期限が切れている (カード発行から5回目の誕生日に電子証明書の有効期限が到来するため、マイナンバー制度開始直後にカード発行した方は有効期限が切れている可能性あり)
・署名用電子証明書暗証番号(6~16文字の数字・英大文字で構成)を把握していない (暗証番号を忘れた場合は、市区町村窓口で暗証番号を初期化する申請を行う必要がある)
・マイナンバーカードに対応したカードリーダーとパソコン、または読み取り対応スマートフォンを持っていない

マイナンバーカードによるオンライン申請が窓口の3密を作り出しているのが現状です。また申請自体もマイナポータルを使い慣れている人以外にはかなりハードルが高いため、通常は郵送申請の方がおすすめだと思います。

驚いたことに、マイナンバーでは誰が世帯主なのかが分からないそうです。世帯主以外が申請しても申請自体はできてしまうため、重複を確認する作業などが増え、必ずしも郵送申請より振込が早いとも言えないようです。

世帯主が受け取るという方式にした以上、世帯主が分からず個人主体のマイナンバーによるオンライン申請は相容れないのは明らかです。一体なぜ、この方式を今使おうと思ったのか、理解に苦しみます。

申請書ダウンロードによる申請方式を工夫する自治体も

なかなか進まない申請ですが、一刻も早く振込が必要な方も大勢いることでしょう。そんな方のために、千歳市など一部の自治体では、申請書を自分でダウンロードして自治体へ郵送する、手書き申請方式を設けています。

収入の急激な減少等により、一日も早く特別定額給付金が必要な方を対象に、市公式ホームページからダウンロードした申請書による「手書き申請」の受付を行います。

ただし、多くの「手書き申請」が殺到した場合、内容確認等事務処理に要する時間が増え、給付までの期間が延びることとなりますので、一日も早い給付金が必要な方への申請方式としてご理解いただき、お待ちいただける方については、基本である「郵送申請方式」または、「オンライン申請方式」での申請にご協力をお願いします。

千歳市:申請書ダウンロードによる「手書き申請」についてより引用

このやり方なら、自治体から申請書が郵送されてくるのを待てない逼迫した状況にある方にも、迅速に特別定額給付金が届けられそうです。

何故こんなに使いづらいのか理解に苦しむマイナンバーカードを利用したオンライン申請より、こちらのダウンロード方式を全国で採用すべきなのではないかと感じてしまいます。

これを機会にマイナンバーカードを普及させたいという思惑を感じますが、今じゃない感が半端ないですね。全ての必要な人の手に給付金が届くのはいつになるのでしょうか。