度重なる休校、休校中の受験、緊急事態の中の入学準備、卒業式や入学式の簡素化や中止、延期…。ここ数ヶ月で児童生徒、大学生、そして保護者が見舞われた激震は過去に例がないものばかり。

過去に例がない事態には、前例に捉われない迅速な救済策を…と思うのですが、どうも対応が遅かったり条件が厳しかったりというものが多いように見えてしまいます。

とりあえず、現時点で子育て世帯や学生が受け取れる可能性が高いお金についてまとめます。また、これから必要な援助について考えてみます。

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子育て給付金

対象

児童手当を受け取る世帯が対象。ただし児童手当は中学生までまでですが、年度末の3月の休校の影響を鑑み、4月に高校生になった場合も対象となります。

ただし、児童手当は制限を超える高所得層は対象外となっています。

給付額

子ども一人当たり1万円。一回限り。

手続きと時期

5月以降、市区町村から案内チラシと、希望しない場合の申し出書が発送されます。札幌市の場合、対象者には6月8日(月)に案内文を送付する予定。給付金を受け取らない場合は、申し出書を出す必要がありますが、受け取りたい世帯は手続き不要だそうです。

ただし公務員の方は、所属庁から配布される申請書を提出する場合があるようです。

振込は6月の予定。

特別定額給付金

国民一人当たり一律10万円が支給。

当初は、収入減を証明するという条件付きの1世帯30万円から、紆余曲折を経て一律10万円となりました。条件付きだと、国民の2割ほどしか受け取れないだろうという話も出ており、また申請や支給の遅延などで大混乱が予想されたので、個人的にはこの方針を歓迎しています。

対象

令和2年4月27日を基準日として住民基本台帳に記録されている人が対象で、受給は世帯主にまとめて振り込まれます。

給付額

一人につき10万円。

申請手続き

●郵送申請方式
市区町村から郵送される申請書に振込先口座を記入し、振込先口座の確認書類と本人確認書類の写しとともに返送。

札幌市の特別定額給付金の郵送申請が順次開始。申請の方法は

●マイナンバーカードがある人はオンライン申請が可能
マイポータルから振込先口座を入力。振込先口座の確認書類をアップロードし、電子申請。

時期

申請期限は、郵送申請方式の受付開始日から3ヶ月以内。可能な限り迅速な支給開始を目指しているそうです。

世帯主が受給としたことで、DVの被害者や何らかの事情により受け取れない人が出るという可能性があります。それを防ぐには基準日(4/27)の前日までに世帯分離を行うという方法があります。

またDVで既に別居状態であれば、住民票を移していなくても現在住んでいる市町村に申出書を提出すれば、住民票上の世帯主とは別に受け取れるという特例もあるようなので、そのような場合は在住の市町村に問い合わせてみるといいと思います。

この定額給付金は誰でも受け取る権利があるお金ですので、必要な方は遠慮なく申請しましょう。

特別定額給付金はいつ届く?北海道の状況

大学生を直撃する学費の問題

今回の緊急事態宣言を受け、授業開始が延期された大学生の生活が厳しくなっています。保護者の収入が激減したり、バイトのシフトに入れなくなったり、大学のオンライン授業に必要なパソコンやネット環境の準備に当てるお金が出せなかったり、それぞれの抱える問題はいろいろです。

生活が苦しくても帰省することもできず、苦しい状況に13人に1人が退学を検討しているという調査結果もあります。

本当に大変な事態ですが、一人で悩んで退学を検討する前に、是非自分が高等教育の修学支援新制度の対象となっていないか、確かめてみてください。今年から始まった修学支援新制度は、以前と比較してかなり対象が広くなっており、給付型、貸与型の奨学金、授業料の減免などが受け易くなっています。

2020年度からの新しい奨学金制度について。給付型奨学金や大学等の授業料等減免は【保存版】

高等教育修学支援新制度は「家計の急変」も対象

この制度は基本的には前年の保護者の年収によって対象者が決定しますが、今年になって父母などの収入が大きく減った場合、急変後の所得の見込みが要件を満たせば「家計の急変」として4月以降も随時申し込むことができます。


画像引用:文部科学省 新型コロナウィルス感染症の影響で学費等支援が必要になった学生のみなさんへ

2020年4月から、対象の目安となる年収は大幅に拡充されています。授業料減免と給付型奨学金の対象となるのは住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯。区分により段階的に一部支給となって行きますが、4人世帯モデルでは年収の目安380万円まで。

貸与型奨学金の対象の目安年収は、4人世帯・私立大学生・自宅通学で、無利子奨学金が約800万円まで。有利子奨学金は約1,100万円まで。

また既に貸与奨学金を利用している人は、利用額を増額することもできます。

文部科学省:新型コロナウィルス感染症の影響で学費等支援が必要になった学生のみなさんへ

大学は迅速な奨学金の手続きを

4月現在、施設への立ち入りができない大学がほとんどだと思います。それによって例年のように奨学金の手続きができないという学生が出ています。高等教育修学支援新制度の奨学金や入学金、授業料減免が命綱のようになっている学生にとって、迅速に奨学金の手続きができるかどうかは死活問題です。

予約採用を受けていても、進学後に進学届の手続が迅速に出来ないと初回振込の時期がずれ込んで行きます。受け取れる金額は変わらないので通常の年なら多少遅れても大丈夫かもしれませんが、緊急事態宣言の中、4月に受け取れるか、5月またはそれ以降にずれ込んで行くのかが大きな意味を持つ学生や世帯があります。

家計の急変で、これから奨学金の手続きを望んでいる学生について迅速さが必要なのは、言うまでもありません。しかし大学によって、授業開始延期でもオンラインや郵送で迅速に手続きができるところと、そうではないところに分かれているようです。

大学も対応に追われているとは思いますが、困窮している学生のために、通常の年よりも手続きにスピード感が求められていることを意識していただけたらと思います。

入学金の減免対象者の還付も迅速に

また入学金減免対象者の入学金の還付の時期もそうです。文部科学省の高等教育の修学支援新制度に係る質問と回答(Q&A)
では、このようにな記述があります。

Q12 入学金については、一般的に、入学する前に納付を求められます(1年生前期の授業 料も併せて納付を求められることもあります)が、今回の新制度における減免の取扱いは どうなりますか。

A12 経済的に困難な状況にある学生等の入学金や授業料などについては、納付時期の猶予 など弾力的な取扱いをするよう、これまでも、文部科学省から大学等に対してお願いして きています。
今回の新制度の趣旨を踏まえると、給付型奨学金の予約採用手続において採用候補者と なっているなど、減免対象となる可能性のある学生等については、大学等において、入学金や授業料の納付時期を猶予するなど弾力的な取扱いによりきめ細かな配慮を行っていただくことが望ましいと考えており、そのことをあらためて、大学等にお願いしているところですが、これにより難く、大学等において入学金等を一旦徴収した場合は、入学後に減免が確定した際に、学生等に対して減免相当額を還付することを想定しています。

つまり文部科学省としては、制度の趣旨を踏まえて入学金は納入猶予が望ましいと考えていて大学にお願いしているのですが、実際に大学が行なっているのは、入学金は一旦全額納付させてから後日還付というやり方です。

そして今回の休校の影響なのかは不明ですが、入学金の還付の時期がいつになるのかが全く分かりません。入学金はかなりまとまったお金ですから、戻ってくれば家計が助かる世帯もあるでしょう。今は非常事態ですので、迅速な還付が望まれます。せめていつ頃還付されるのか周知されればとも思います。

さらに出来れば文科省のお願い通り、制度の趣旨を鑑み、最初から減免対象者にはその減免された金額の入学金納付を求めるべきなのではないでしょうか?

これを行うと入学の権利金としての入学金が徴収という慣例が成り立たなくなるので、文科省のお願いに従わない大学が多いのでしょう。入試の機会均等の面からも、減免対象者に満額の入学金を求めるのを止めればどんなにいいだろうと思います。

2020年4月現在、学生からは大学の授業開始延期や、その後もオンライン授業が続くにもかかわらず、施設費用や授業料が通常通り請求されるのはおかしいという声が上がり始めています。

時事ドットコムニュース:「学費減額を」署名広がる 経済苦、キャンパス閉鎖で―国に半額免除求める動きも

一部の大学では、オンライン授業導入に必要な資金を支給するなど、学生に配慮した施策を打ち出しているところも出て来ていますが、そうでないところもあり様々です。

今は従来の常識の枠に囚われず、おかしいと思うところはどんどん声をあげていくことが必要な時なのかもしれませんね。

学びの継続のための「学生支援金給付金」

大学生が学びを継続するため声を上げたことで、学生支援金給付金という新しい給付金が創設されました。

給付額は、住民税非課税世帯の学生は20万円、それ以外の学生には10万円。対象は、一人暮らしでアルバイト収入などで学費等を賄っており収入が半減した学生等となっていますが、新入生や自宅生でも要件を満たせば対象となる場合があります。

あくまでも一時金なので学費を賄うには足りない金額ですが、助かる学生もいるでしょう。対象かもしれないと思う場合は在学する大学などを通じて申請します。大学だけではなく大学院や短大、専門学校生も対象。留学生は成績要件などがありますが対象となっています。

詳しくはこちらの記事をどうぞ。

学生の学びの継続のための「学生支援緊急給付金」が創設。対象となるのは?