【特集記事】転校生目線で見た子どもの生活と北海道・札幌ルール もくじ

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小学校の卒業式

札幌の小学校の卒業式は、大体毎年3月18日前後に行われるようです。(毎年異なります)

卒業生の晴れの舞台に、在校生が器楽演奏や歌声、呼びかけなどで花を添えます。厳粛な雰囲気の中にも小学生らしい可愛らしさも覗く素敵な式が、各学校で行われるようです。

4・5年生は在校生代表として出席

学校にもよると思いますが、在校生代表として、4・5年生は出席、低学年はお休みという所が多いのではないでしょうか?3学期になると、4・5年生はリコーダーや器楽の練習に余念がなく、3学期後半の合同での卒業式練習では、先生の指導の下、立ったり座ったり、演奏したり歌ったり呼びかけたりと、真剣に練習が繰り返され、結構大変だそうです…。(子ども談)

普段はジャージをこよなく愛する札幌の小学生男子ですが、さすがに卒業式はジャージ禁止を言い渡されるようです。それほど気にする必要もないようですが、在校生も卒業式に失礼のない服装で、という風に言われるのではないでしょうか?

そして卒業生の服装に驚き!

結構な袴率に驚き

転校して始めて札幌の卒業式事情を知って、驚いたことがあります。小学生が、卒業式に袴を履いて出席している!ということです。

一人、二人ならまだ分かりますが、結構な袴率です。女子の半分くらいが袴を着用して出席するということに、またしても恒例の、びっくりぽん!でした。男子もかなり少ないものの袴を履いている子がいて、それにもびっくりでした。

服装は、恒例の自由!です

もちろん、袴に統一されているわけではないので、卒業生男子はほとんどがブレザースタイル、女子も袴を着ない子は、大体ブレザーにスカートというAKBのような服装です。4月から入学する中学の制服を着ている子もいるようです。

何故、こういろいろな服装になるかというと、卒業生の服装は「自由」だからです。袴を着たい子は男子でも袴を着るし、無難にブレザースタイルにする子もいるし、中学の制服を着たい子は着るのでしょう。安定の北海道・札幌ルール、「キーワードは自由」ということですね!

晴れの舞台は目立ってナンボ!

そして、水着や上靴もそのような感じなのですが、札幌の小学生が「自由」な好みで服装や持ち物選ぶと、華美になりがちです。首都圏の小学生ほど、派手なものを選ぶと周りから浮くんじゃないか…とか、そういうことを恐れない傾向があるのではないかと思います。

逆に、晴れの舞台は、目立ってナンボ!という感覚なのではないでしょうか?実際、袴を着ていても、男子は袴が数人だけでも、全然浮きません。着たいものを堂々と着ているだけだけど、なにか?という感じです。札幌の子って、そういう大舞台に強いと思います。いい意味で周りを気にしないというか、舞台度胸があるというか、そういう特徴を折に触れて感じますね。

そしてそれを見ている在校生も、自分も卒業式には袴を着たい!と思うおしゃれな子が沢山出てくるのですね。そして、お子さんにそう言われた親御さんたちも、せっかくの晴れの舞台だし、うちの子がそう言うんなら…と結構早い時期から袴のレンタル予約をする訳ですね。こうして袴率がどんどん上がっていったのではないか?と思われます。

これが札幌人気質?

札幌人にとって卒業式とか、発表会とか、運動会などは、学校のカリキュラムとしての行事というよりは、小学生の「晴れの舞台」なんですね。それは本人にとってだけじゃなく、保護者や地域もそういう感覚なんだと思います。そして、そういう舞台に子どもが精一杯着飾ったり、活躍したりするのを周りの大人も地域をあげて後押しする。そういう感覚が札幌人の気質なのかな~?とこちらに引っ越して数年過ごし、だんだん分かってきたような気がします。

全国的に見れば、袴を着るのは当然ではない

私は、そういう札幌人の着たいものを着てますが、なにか?的なところは割と好きです。ただ、もし今後、袴を着るのが当たり前、という風になっていくとしたら、ちょっと怖いな…とは感じています。

そうしてあげられる家庭ばかりではないですし、そういう方針じゃないという家もありますよね。ちょうど公立高校の合格発表の時期とも重なりますし、兄弟姉妹の年齢によっては袴の着付けどころではないという家庭もあるのではないでしょうか?

そんな中、「○○ちゃんはなんで袴着ないの?」的な雰囲気になるのは嫌だな~とは思います。正直に言うと、そうなりつつある感じがしていて、ちょっと違和感を感じています。

それに、北海道ルールで見れば当たり前でも、全国的な視点で見れば小学生が卒業式で袴を着用することは決して当たり前じゃない、とも思っています。

小学生の行事に華美な服装をすることを好まない地域もあります。実際、転校する前にいた小学校や地域では、袴を着て卒業式に出る子を見たことはありませんでした。卒業式だけではなく、行事も学習の一環という考え方だったのか、発表会なども平日に開催して、こちらに比べると地味でした。

袴に関しては近年流行があって増加傾向なのかもしれませんが、慣れない和装に具合が悪くなる子が出て、それ以来禁止にしているという小学校もあるようです。

おしゃれと我慢は表裏一体

実際袴を着て卒業式に出席するのは、子ども自身も、周りの大人も大変なんじゃないかな…と思います。早朝からの着付けだけでも大変だと思うのに、式の終了までトイレも自由に行けないでしょうし、足元のことを考えると車での送迎も必要なのではないでしょうか。(札幌は雪解けの季節)

ちは○ふるの千早ちゃんのように袴に慣れているのならともかく、慣れない和装に締め付けられるので体調も心配です。立ったり座ったり歌ったり呼びかけたりが、結構激しいのが小学校の卒業式の特徴ですが、もし着崩れても直せません。当然そういった場合のフォローを、式で忙しい学校に求める訳にもいきません。

そう考えると、小学生に袴を着せるメリットって何だろう…とまで考えてしまうのですが、おしゃれ女子(一部男子)にとっては憧れの袴。本質的にオシャレというものとやせ我慢や大変さというのは、表裏一体のものなんでしょうか?

まあ、基本自由なので、そのおうちの方針によって好きな服装をすればいいのだと思います。卒業生の皆さんは、晴れの舞台!ですね。どうぞ素敵な卒業式をお迎え下さい!

2018/3/10追記:この記事を書いた時に比べ袴着用人数は増加傾向にあり、そして「はれのひ」の事件があり、いろいろ思うところがありました。よろしければ、こちら↓の記事もお読みください。
「はれのひ」騒動を経て小学校卒業式の袴に思うこと

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