札幌には路面電車(市電)があります。この記事では路面電車の乗り方と運賃、また土日祝に使える便利な一日乗車券どサンこパスなどについてまとめてみました。

札幌の市電(路面電車)について

ループ化により、利便性が高まり、乗降者数も大幅に増加した札幌の市電(路面電車)。市民の足として、また観光資源としても人気です。
市電は札幌市営地下鉄と同じく札幌市交通局が運行しています。路面電車の料金は以下のようになっています。

普通料金

大人:200円
こども:100円
※札幌の市電はどこまで乗っても1乗車の料金は同じです。

令和元年10月以降も運賃は据え置き

令和元年10月1日以降消費税アップとなりますが、市電運賃は変わらず据え置きとなりました。ただし地下鉄との乗り継ぎ料金、定期運賃、どサンこパス、貸切料金は値上がりします。

路面電車と地下鉄の乗継料金

札幌の市電は、指定された駅から駅なら地下鉄と乗り継ぎが出来ます。
乗り継ぎ料金は利用する地下鉄の区数(距離によって変わります)によって違いますが、地下鉄1区と市電の乗り継ぎ料金は次のようになります。
大人:320円→令和元年10月から330円
こども:160円

乗継について詳しくは後述します。

どサンこパスの料金

1枚:360円 →令和元年10月から370円
どサンこパスについて詳しくは後述します。

令和元年10月からの新料金について詳しくはこちらの記事をどうぞ
令和元年10月1日からの運賃値上げ。JR、地下鉄、バスの札幌圏の料金は?

初めて市電に乗る人への注意点

内回り・外回りとは?

平成27年12月、札幌の市電はループ化により、内回り(反時計回り)外回り(時計回り)の環状運行となりました。

内回りは、地下鉄大通駅すぐ近くの、「西4丁目」から乗るとすると、西8丁目→中央区役所前→西15丁目…と西へ向かう循環路線です。◎になっている路線図の内側というわけですね。二重丸の内側を反時計回りに回ります。

外回りは、「西4丁目」から乗るとすると、狸小路→すすきの…と南へ向かう循環路線です。◎になっている路線図の外側です。二重丸の外側を時計回りに回ります。どちらも車と同じ、左車線を走っていると考えればOKです。

同じ駅でも、内回りと外回りでそれぞれ停留所の位置が違うので、初めて市電に乗る場合どちらで待てばいいのか迷うのではないでしょうか?そういう場合は、自分の行きたい方向へ走っている自動車を見て、その車の走っている車線にある停留所で待ちましょう。路面電車は、車と同じ左側通行で「左車線」を走る、線路を走るバスのようなもの…と考えるとどちら方向へ進むか分かり易いと思います。

そしてもう一つ。基本的に循環する市電ですが、行き先が決まっている車両もたまにあります。例えば「中央図書館行き」といった終点が決まっている電車も数は少ないですがあるので、行き先表示に気をつけましょう。

乗り降りするときのドアは

市電は中ドアから乗り、運転手のいる前のドアから降ります。料金はどこまでいっても1乗車200円(こども100円)なので整理券はありません。

料金の支払い方

料金は、降車するときに前ドア付近にある料金箱などで払います。

SAPICAなどのICカードの場合

SAPICAなど、ICカードは降りるときに料金箱手前にあるカード読み取り部にタッチして支払います。札幌のバスは乗車時と降車時、計2回カード読み取り機にタッチするのが普通ですが、市電は一乗車一律料金なので、乗車時にタッチする必要はありません。

使用できるICカードは、札幌市交通局発行のSAPICA(サピカ)のほか、全国相互利用可能な交通系ICカードKitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、PiTaPa、SUGOCA、nimoca、はやかけん、ICAS nimoca(イカすニモカ)です。観光で乗る方も、上記のいずれかを持っていればICカードで精算可能。後述しますが、ICカードなら地下鉄との乗り継ぎ料金も自動で適用されるため、使い勝手がいいと思います。ちなみに1,000円札のみですがチャージもできます。

札幌で使える交通系ICカードについてはこちらの記事もどうぞ
KitacaとSAPICA、そしてSuica

現金の場合

現金の場合は、降りる時にぴったりの料金を料金箱に入れます。ちょうどの小銭がない場合は事前に両替が必要です。両替も前方の料金箱でできます。

敬老優待乗車証などの場合

料金箱のカード挿入口にカードを入れます。するとカード取り出し口から出てきますので、忘れずに取り出します。

どサンこパスなどは提示

どサンこパスやSAPICA定期券ではないタイプのアナログな定期券は、降車時に運転手に提示し、見てもらいます。

どのくらいの間隔で走ってるの?

市電の走る本数は時間帯によって異なりますが、平日の9時から16時は概ね7分間隔。ラッシュ時はもう少し本数が多いという感じでしょうか。土曜日9時から16時は概ね7〜8分間隔、日曜日は概ね8分間隔くらいのようです。ちなみに夏ダイヤと冬ダイヤがあります。詳しくは公式ページへ

停留所ホームは幅が狭い

私が初めて市電に乗った時、驚いたのが停留所のホームの幅の狭さです。ちょっとでも身動きすると電車か車に接触するんじゃないかと思うくらい近いところに車両があって、市電に慣れていない人はびっくりするかもしれません。

西4丁目や狸小路、すすきのなどメジャーな駅は歩道側に駅あったり幅にも余裕があったりで問題ないのですが、そのほかの駅で路面電車で乗り降りする場合、接触しないように気をつけましょう。特に傘をさしている時は注意が必要です。また降りた後は、信号をよく見てから道路を渡るようにしましょう。

こども連れに嬉しい「どサンこパス」

お得な市電の一日乗車券

「どサンこパス」をご存知ですか?土日祝日に市電を利用するなら、是非知っておきたいのがこのどサンこパス。特にこども連れの方にはかなり嬉しいキップです。

注)令和元年10月からは1枚370円です。

どサンこパスは土日祝日および年末年始(12/29〜1/3)に販売され、購入した日に何度でも使用できる市電の1日乗車券で、1枚370円(令和元年10月より)で購入できます。大人1名で使っても1往復または2回乗車すれば
200円×2=400円
なので、30円お得になり元は取れるのですが、さらに一緒に乗っている子ども料金1名分が無料になるという子連れに嬉しいパス。
大人と子どもが市電で1往復または2回乗車すると、通常
200円×2+100円×2=600円
かかりますが、どサンこパスなら370円。(令和元年10月より)つまり往復で230円お得です。もっとたくさん乗るならもっとお得です。土日祝日に小学生の子どもと一緒に市電に乗るなら、買わなきゃ損という感じですね!
ちなみに地下鉄・バスでは利用できません。札幌市営地下鉄の一日乗車券はドニチカキップをどうぞ。
観光に便利な一日乗車券。ドニチカキップなど

なぜ「どサンこ」?カナ間違ってない?

ちなみにサンだけがカタカナになっているのは、間違いではありません。これには深い意味があるのです。

ど は土曜日の ど
サン はサンデーの サン
こ は子どもの こ♪

なんですね!
パスの名前は、使える条件を並べて、しかも「道産子」にかけてあるわけです。なんだか昔英語で習った、三人称単数現在形、「三単現のS」みたいですね!?

どこで購入するの?

そんな子連れに嬉しいどサンこパスなのですが、購入がちょっと面倒(?)なのが玉にキズ…。このパスは大通定期券発売所(年末年始は休業)でも買えますが、前売りはないので、大通以外の駅で乗る場合は使用する当日に市電の車内で購入しなければなりません。運転手さんに「どサンこパスください」と声をかけてお金と引き換えに買うのですが、運転手さんは運行中はもちろん運転に忙しいですし、降りるときは降りる人の妨げになるので、乗っている間の停車中にささっと前に行って、タイミングを見計らって購入することを推奨されています。

これは、以前は特に問題に感じなかったのですが、最近は難しく感じることが多くなりました。というのも市電のループ化で利用客が増加して以来、土日の市電も時間帯によってかなり混むように。特にイベントのあるときや観光シーズンは、びっくりするほど満員になる時もあります。そういう時にささっと前に行くのは無理で、結局買いそびれたり降りる時に買うしかなかったりするんですよね。せっかく後ろにも料金箱があるので(市電は前後に運転席あり)そちらでも両替できたり、どサンこパスが買えたりすると更に便利なんですが、そこまで求めるのはいろいろ難しい問題があるのでしょう。

いずれにせよ、土日祝に使うなら、特に子連れには嬉しいどサンこパスなので、該当するときは上手に利用してみてはいかがでしょうか。

乗り継ぎについて

料金

先に少し触れましたが、札幌の市電は、指定された駅から駅なら地下鉄と乗り継ぎができ、乗り継ぎ料金(1区大人320円・子ども160円)(令和元年10月以降→1区大人330円・子ども160円)が適用されます。つまり、本来なら市電200円、地下鉄1区大人200円ですので、80円お得。ただどの駅でも乗り継ぎできるわけではないので、注意が必要です。区数による料金は以下の通りです。

1区 ②・2区 3区 4区
大人 320円→330円 370円 410円 440円→450円
こども 160円 180円 200円 220円

区数は公式ページで確認してください。

乗継指定駅とは

乗り継ぎ可能な駅は乗継指定駅といいます。市電と地下鉄、ペアで指定されている駅が必ずしも同じ駅名ではないのと、少し距離が離れていることもある為分かりづらいかもしれません。ただ該当する場合は使わないと損!乗り継ぎできる駅は次の通りです。

市電「西4丁目」「狸小路」「すすきの」

まずは一番利用が多そうな乗り継ぎ。札幌中心部、駅前通りに沿うようにある市電の西4丁目・狸小路・すすきの駅からは、地下鉄大通・すすきの・豊水すすきの駅のいずれも相互に乗り継ぎが出来ます。

市電「中央区役所前」

ここからは、地下鉄東西線「西11丁目」駅へ乗り継ぎ出来ます。徒歩約3分ほどの距離。もちろん反対の乗り継ぎも可。

市電「西15丁目」

ここからは、地下鉄東西線「西18丁目」駅へ乗り継ぎ出来ます。徒歩約7分ほどの距離。もちろん反対も可。

市電「山鼻9条」

ここからは、地下鉄南北線「中島公園」駅へ乗り継ぎ出来ます。徒歩約7分ほどの距離。もちろん反対も可。

市電「静修学園前」

ここからは、地下鉄南北線「幌平橋」駅へ乗り継ぎ出来ます。徒歩約8分ほどの距離。もちろん反対も可。

以上を表にまとめると次のようになります。

地下鉄 市電
「大通」駅 市電「西4丁目」「狸小路」「すすきの」
南北線「すすきの」駅 市電「西4丁目」「狸小路」「すすきの」
東豊線「豊水すすきの」駅 市電「西4丁目」「狸小路」「すすきの」
東西線「西11丁目」駅 市電「中央区役所前」
東西線「西18丁目」駅 市電「西15丁目」
南北線「中島公園」駅 市電「山鼻9条」
南北線「幌平橋」駅 市電「静修学園前」

乗り継ぎ料金の払い方

ICカードの場合

SAPICAや全国相互利用可能な交通系ICカードの場合、指定駅を乗り継ぐと自動で乗り継ぎ料金が適用されます。利用者が何かする必要はありません。便利ですね!

地下鉄から市電に乗りつぐ場合

現金を使って地下鉄から市電に乗りつぐ場合、地下鉄の券売機で乗り継ぎ券を購入できます。

市電から乗り継ぐ場合

現金を使って市電から地下鉄に乗り継ぐ場合、市電を降りるときに運転手に「乗り継ぎ券をください」などと言って乗り継ぎ料金を支払うと乗り継ぎ券をくれます。地下鉄にはその乗り継ぎ券を使って乗ることができます。ただし地下鉄1区200円以上の距離を乗り越す場合は、降車駅で精算します。

定期料金は

札幌の市電の定期料金は、次のようになっています。令和元年10月以降

通勤 通学(大人) 通学(こども)
1カ月 8,040円8,190円 5,760円5,870円 3,600円3,670円
3カ月 22,91023,330円 16,42016,720円 10,26010,450円

乗り継ぎの場合は区間によって異なるので公式ページで確認してみてください。

貸切電車について

市電には貸切電車があります。仲間で、観光で、ぐるっと一周貸し切ってワイワイ楽しむなんて、楽しそうですよね!一周貸し切る料金は次のようになっています。

普通車両

18,000円令和元年10月以降 18,340円

低床車両(ポラリス)

21,600円令和元年10月以降 22,000円

ちなみにどちらも座席は30席ほど。一周の所要時間は大体1時間〜1時間30分程度だそうです。

いろいろある路面電車の車両

どれが来るかはおたのしみ!

札幌の市電には、昔懐かしいノスタルジーを感じさせるものから、新型車両までいろいろな車両があります。また全面広告でラッピングされた車両もたくさんあるので、街を行き交う路面電車はとてもカラフル。
懐かしい雰囲気の緑の車両

「探偵はバーにいる2」の撮影で使われた車両もあります。

低床車両のポラリス

雪ミク電車は冬季限定

冬季期間限定の雪ミク電車2019-2020

毎年デザインが変わるのもお楽しみ♪

【雪ミク電車2017動画】今年のデザインは青が基調!

▼動く市電の様子はこちらでどうぞ。

 

▼こちらは2017さっぽろ雪まつりで札幌国際芸術祭の一環として行われた雪像とノスタルジー溢れる市電の影絵です。今も昔も市民に市電が愛されていることが分かる素敵な作品。

 

市民の足として、また観光客にも愛される札幌の路面電車。雪が降ってもほとんど止まることなく、けなげに走る姿も愛される理由かも。札幌の街になくてはならない風景として、これからも頑張って欲しいです!

参照:札幌市交通局公式サイト