厚真町で震度6弱、札幌で震度5弱も

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2019年2月21日夜、地震が発生し、厚真町では震度6弱の大きな揺れを観測しました。厚真町では一時停電、そして水道管の破損で断水にも見舞われた地域もあるということで、9月の地震の記憶が蘇り、不安な夜をすごされた方も多かったのではないでしょうか?一部小規模な雪崩も発生したとのことで、冬の地震の怖さを改めて感じました。しかし、転倒などでけがをした方も数名で軽傷とのことで、ひとまずはほっとしました。

札幌でも北区や手稲区で震度5弱を観測した地域があったということで、交通網が大きく乱れました。中でも市営地下鉄が運休したのは痛手で、札幌中心部ではタクシーに長蛇の列ができ、帰宅が困難になった人も多く出ました。

札幌の帰宅困難者は

今回、帰宅困難者に「チ・カ・ホ」や「市民交流プラザ」が居場所として解放され、毛布やクラッカーを配布されたニュースも流れていました。非常時にすぐこういう対応を市が決定してくれるのはとても心強いですね。

札幌市では21日夜、市営地下鉄が運休するなど交通が混乱した。零下に冷え込む中、「帰宅困難者」のために札幌駅の地下通路などが開放された。

市によると、22日午前1~2時の最も多い時で、こうした施設を利用した人が29人いた。

千歳市の会社員男性(30)は、友人と会うために札幌市中心部に来ていた。列車は運休し、バスも逃した。タクシーもつかまらず、途方に暮れていた時、中心部と札幌駅をつなぐ地下通路を市が開放したとツイッターで知った。市職員から毛布とクラッカーを受け取り、一夜を過ごした。「毛布があるのとないのとでは全然違った。よく眠れたわけではないが、仮眠はできた」
引用:朝日新聞デジタル:札幌駅の地下通路で一夜 「毛布あって、仮眠はできた」

冬の帰宅困難は死活問題なので、いざという時、身を寄せられる場所を知っておくのは大切です。情報は、市のtwiterなどで随時更新されるので、いざという時はチェックすると良さそうですね。こちらの記事もいざという時のリンク集としてお役立てください。

北海道地震後の札幌の状況と情報へのアクセス

子どもが帰宅困難になったら

9月の地震も今回の地震も夜の発生だったため、本格的な大量の帰宅困難者が町に溢れる事態にはなりませんでした。もしこれが学校のある時間、会社の営業時間だったらどうなっていたでしょう。東日本大震災の発生時間は14時46分。ちょうど小学校や幼稚園の下校時間でした。首都圏では電車やバスで長時間をかけて通学する小・中学生(もちろん高校生や大人も)が大勢いて、帰宅時間には道から溢れるくらいの人々で混乱を極めました。子どもと連絡が取れず、翌日まで子どもと会えなかった人もたくさんいました。

北海道は昨年まで今まで地震の少ない地域という認識がありましたが、残念ながら地震の活動期に入ってしまったことはもう周知の事実です。今後、平日の日中に地震が発生することは十分考えられ、大量の帰宅困難者が発生することも想定しておかなくてはならないでしょう。北海道では電車で遠くまで通学する小学生は非常に少ないと思いますが、遠距離通学をする高校生はたくさんいます。

登下校中に地震が発生した場合どうするか、家庭でも話し合っておいた方がいいでしょう。東日本大震災では、学校が避難先として機能し、交通の混乱が落ち着くまで学校に留まって、あるいは下校中だったものの学校に戻って混乱が収まるのを待ったというケースがありました。家より学校が近い地点だった場合、学校へ戻った方が安全な場合もあります。

東日本大震災では、大量の帰宅困難者で街は大混乱となり、無理に帰宅せず留まることが必要だということが教訓となりましたが、北海道でもそれは同じように言えるでしょう。特に冬、天候によっては長時間歩くことは地震とはまた別の危険が伴います。場合によっては会社や学校に泊まることも想定して、受け入れ態勢を整える必要があるのではないでしょうか。そのあたり、北海道の学校ではどの程度受け入れの用意があるのか、心配です。

児童・生徒の帰宅困難者はその時どうなる

東日本大震災の時、下校途中だった小学生がどのように対処したか、学校の対応やその後の安全対策をまとめたTOKYO MXの番組がありました。下校中に電車が止まり、大混乱の駅から学校へ戻るという判断をした私立小学校の6年生のケースが取り上げられています。大人でもどうしていいか迷う中、自分で考えて冷静に対処できた小学生は本当に頑張ったと思いますし、あの状況でできる限りの対処をした学校にも頭が下がり、その後の対策もとても参考になります。

「そのとき、帰宅困難”児童”は」

それにしても、生徒さんはもちろん、長時間お子さんと連絡が取れなかった保護者の不安はどれだけだったでしょう。地震の活動期に入った北海道では、決して人ごとではありません。動画の中で、学校がとった対策は北海道でも参考になりそうですね。特に、生徒が泊まることを想定した寝袋や食料の備蓄。また、他の学校と提携して、下校途中の他校の生徒を相互に受け入れるようにしたとのこと。これらはとても有効だと感じました。

札幌では電車やバスで通学する高校生が大勢いますが、例えば公立高校同士が生徒の受け入れを提携してくれれば、いざという時の安心感が増しますね。そういうことを普段からしっかり生徒に周知できれば、生徒自身も普段から自分の通学ルート近くの高校や避難場所を意識することで、いざという時自分で身の安全を図ることができるでしょう。冬の帰宅困難の対策にもなるのではないでしょうか。ぜひ考えてみてほしいです。

小・中学生、幼稚園生も危ない

子供の帰宅困難の問題は電車通学者だけではありません。小・中学生、また幼稚園生は、家の近くだから大丈夫だと安心してはいられません。常に家に誰かがいて、お迎えや引き取りができるならいいのですが、共働きで両親が日中家にいないという家庭も多いことでしょう。東日本大震災では、夜通し歩いて翌日やっと家にたどり着いたという親も少なくありません。親が引き取りに行くまでしっかり学校や幼稚園で子供を預かってくれていればいいのですが、どの程度そういう対策ができているのでしょうか?

引き取りがない場合集団下校、などという方針の場合、家に帰っても誰もいない、それどころか鍵がなくて家に入れないというお子さんも出てくる可能性があります。余震の危険性がある中、大人の目がない状態で子供を放置するのは危険ですし、特に寒い冬にそういう状態になったらと思うと本当に怖いです。

本格的な帰宅困難のケースなら、交通が完全にマヒし、自家用車でも渋滞に巻き込まれて身動きが取れなくなることも考えられ、1日以上親が帰宅できないケースも想定されます。小・中学校や幼稚園はぜひそういうケースも想定して、災害時は子供を勝手に返すのではなく、完全な引き取りを考えて欲しいところです。

家庭でも災害時にどうするか、もし家に帰っても親がいなかったらどうするかなど、子ども本人がいざという時に判断できるように、ケーススタディ的な話し合いをしておく必要がありそうですね。そういう時は学校に助けを求めなさいと言いたいところですが、先生方にも家庭がありますし、どこまで求めていいのか分からないのが難しいところです。

しかし今まで日中に地震が起きなかったのはただの偶然で、近い将来帰宅困難者が溢れる状態になるかもしれないということは十分想定内のケースです。学校でも家庭でもそして子供達も、当事者意識を持って平素からどうすべきか考えていくことが迫られていると言えるでしょう。平時にどのくらい災害を想定し対策を立てられるかが鍵です。災害はいつ起こるかわからないのですから。